中国人民建て国債

中華人民共和国が香港特別行政区で発行する人民元建ての国債のこと。2009年9月に第1回の発行が実施された。香港では、1997年の英国からの主権移譲後も法定通貨には香港ドルが使われており、人民元の流通が中国政府により制限されていた。2004年に香港で人民元預金業務が解禁され、2007年には人民元建て債権の発行も試験的に解禁された。そして、2009年9月に総額60億元の人民元建ての国債が発行され、機関投資家と個人投資家向けに売り出された。
香港での人民元建て国債の発行は人民元の流通を促進させ、人民元の国際的地位向上につながるとされる。また、香港債券市場の商品を豊富にし、香港の国際金融センターとしての地位向上も推進する。人民元の対米ドルレートが上がっていることから、香港などの投資家には人民元建て国債の需要が高まっている。2010年12月に第2回目として総額80億元の人民元建て国債が発行され、2011年8月には総額200億元の人民元建て国債が発行された。
人民元建て中国国債の既発債は日本国内でも購入できる。しかし、利率が低いことや対日本円では為替差益が得られるか未知数であること、利金や償還金を日本円で受け取る際に為替手数料が発生することなどのリスクがある。

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