予備的動機

予備的動機とは、将来の予期せぬ事態に備えて、予備的に貨幣を保有すること。貨幣保有動機のなかで、予想できない不意の支出に備えるために一定の貨幣を保有しようとする動機のことで、J.M.ケインズが『一般理論』のなかで提唱している。

取引が頻繁であることや、取引の規模が大きいほど不意の出費は多くなるため、国民所得が増加すると予備的動機にもとづく貨幣需要も増加するといえる。

投機的動機(取引的動機)と予備的動機による貨幣需要は、ともに国民所得の増加に伴って増加するため、厳密に区別することは難しく、取引的動機に予備的動機も含めて「取引的動機」として一緒に扱うこともある。

現在の日本では、将来時点において万一所得が減ったりなくなったりしたときに消費ができなくなっては困るために、予備的動機で貯蓄をする傾向が増えているというデータもある。