逆選択

一般的には保険用語として使われている。誰しもが持っている疾患や高い治療費を支払うリスクへの対応手段として医療保障があり、これには民間の医療保険と公的医療保障制度の二つがある。民間においては保険数理に基づき、多くの給付を求める人やリスク発生確率の高い人は保険料を多く支払う。しかし民間の医療保険だけではリスクの高い人ほど保険料が上がり、その人に対して安い保険料で助ェな給付を行おうとするならば、どうしてもその分をリスクの低い人から徴収しなくてはならない。リスクの低い人はそれに対して不満を抱き脱退し、自身のリスクにあった保険を提示する会社を選ぶ。そうしてリスクの高い人だけが残り、保険として機狽オなくなり、最後にはリスクの高い人が排除されてしまう。このシステムを逆選択という。これを防ぐために、全ての人々を強制加入させ、自由な脱退を認めない公的医療保障制度は、リスクの高い人へも保険の適用ができるようにするために必要といえる。このことからも民間の保険数理に基づく保険の公平性と、リスクが高く所得の低い人にも安い保険料で給付を保証するための公的な保険の公平性という2つの公平性の間でバランスを取ることが求められている。

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