「AI投資」「ロボアドバイザー」「自動運用サービス」など、AI技術を活用した資産運用サービスが急速に増えています。
しかし、サービスごとに仕組みやリスク、コスト、パフォーマンスが大きく異なるため、「どれを選べばいいのか分からない」という声も少なくありません。
このページでは、AI技術を活用した日本国内の主要な資産運用サービスを比較しながら、「何を基準に選ぶべきか」を具体的に解説します。
初心者だけでなく、すでに投資信託やNISAを活用している方が、「次の一手」としてAI投資を組み込む際の判断材料になる内容です。
AIを活用した資産運用サービスの全体像
AI技術を活用した資産運用は、大きく分けると次の3つに整理できます。
- ロボアドバイザー(AI投資・おまかせ運用)
- AI型投資助言サービス(アドバイス型ロボアド)
- AI関連ファンド・AI活用ファンド
それぞれ役割が違うため、「どれが優れているか」ではなく、自分の投資スタイルと目的に合うかが重要です。
ロボアドバイザー(投資一任型)
特徴
- 資産配分の設計から銘柄選定、売買、リバランス、税金最適化までを自動で実行
- 投資家は、最初の質問に答えて入金するだけ
- WealthNavi、THEO、ROBOPRO、SBIラップ AI投資コース、楽ラップ、ON COMPASSなどが代表例
向いている人
- 「投資は任せてしまいたい」「時間をかけたくない」人
- 長期・積立・分散投資をベースに資産形成したい人
AI型投資助言サービス(アドバイス型ロボアド)
特徴
- ユーザーの状況やリスク許容度を診断し、おすすめの投資信託やポートフォリオを提案するサービス
- 実際の売買は自分で行う
- 松井証券「投信工房」、SMBC日興証券「fund eye Plus」、SBI証券「SBI-ファンドロボ」、楽天証券「かんたん積立診断」「らくらく投資」など
向いている人
- 「どの投資信託を選べばいいか分からない」人
- NISAやつみたてNISAでの投信選びを効率化したい人
AI関連ファンド・AI活用ファンド
特徴
- AI関連企業に投資するテーマ型ファンド、または銘柄選定にAIを活用するアクティブファンド
- 「AI関連株にまとめて投資したい」というニーズに対応
- 三井住友グローバルAIファンド、野村グローバルAI関連株式ファンドなど
向いている人
- AI・テック成長テーマへの集中投資をしたい人
- コア資産ではなく、サテライトとしてリターンを狙いたい人
AI投資・ロボアドバイザーの代表的サービス比較
ここでは日本で利用できる主なロボアドバイザーを、最新の運用実績・特徴・コストという視点で整理します。
(数値は公開データ・比較サイトの2026年1月時点情報を参照)
ROBOPRO(ロボプロ)
- 提供:お金のデザイン(THEO運営会社)× SBI証券向けなど
- タイプ:投資一任型ロボアド+AIモデル
- 特徴
- AIが世界の市場データをもとに、相場の上昇・下落を予測して投資比率をダイナミックに変化
- 伝統的な長期・分散・積立に加え、「下落局面のダメージ軽減」に寄せた戦略
- 運用実績(全コース平均・直近3年間)
- 約+50.97%で主要ロボアドの中でトップクラス
- 向いている人
- 下落リスクをある程度コントロールしつつ、高めのリターンを狙いたい人
SBIラップ AI投資コース
- 提供:SBI証券
- タイプ:投資一任型
- 特徴
- リスク許容度をAIが自動調整するため、自分でコースを選ぶ必要がない
- 毎月、投資配分やリスクを自動調整し、リバランスも自動
- 主にETFで運用、NISAは利用不可
- 運用実績(3年・全コース平均)
- 約+38.79%と上位グループ
- 向いている人
- SBI証券をメインに使っている人
- 「自分でリスクを決めるのが難しい」人
WealthNavi(ウェルスナビ)
- 提供:ウェルスナビ株式会社
- タイプ:投資一任型ロボアド
- 特徴
- グローバルETFを用いた長期・積立・分散投資を全自動で実行
- 自動リバランス・自動積立・税金最適化(DeTAX)機能あり
- 新NISAにも対応し、自動積立をすると手数料が優遇される仕組みも用意
- 運用実績(3年・全コース平均)
- 約+35〜40%前後と安定したパフォーマンス
- 向いている人
- 「王道の長期国際分散投資」をAIで自動化したい人
- NISAと組み合わせて効率的に運用したい人
THEO / THEO+ docomo
- 提供:お金のデザイン、NTTドコモ提携サービス
- タイプ:投資一任型
- 特徴
- 30以上のETFを組み合わせた高度な分散投資
- THEO+ docomoでは、運用資産に応じてdポイントが貯まる、dポイントを投資に利用できるなど、ドコモユーザー向け特典が充実
- 運用実績(3年・全コース平均)
- 約+34〜45%前後(期間・コースにより差)
- 向いている人
- ドコモ経済圏を活用してポイントも賢く使いたい人
楽ラップ(楽天証券)
- 提供:楽天証券
- タイプ:投資一任型ロボアド
- 特徴
- 1万円から始められる
- 固定報酬型で年率0.715%(+信託報酬)と比較的低コスト
- 資産配分は比較的保守的で、下落ショックへの「下落ショック軽減機能」が特徴
- 運用実績(3年・全コース平均)
- 約+10〜20%台で、他社と比べるとやや控えめ
- 向いている人
- 楽天証券・楽天ポイントを活用したい人
- 積極的なリターンよりも、値動きを抑えた運用を好む人
ON COMPASS(マネックス証券)
- 提供:マネックス証券
- タイプ:投資一任型
- 特徴
- 主にETFで運用し、低コストかつ分散性の高いポートフォリオを構成
- 最低投資額は1,000円からと小額でスタート可能
- 運用実績(3年・全コース平均)
- おおむね+24〜38%程度と中位クラス
- 向いている人
- マネックス証券ユーザー
- 小額で分散投資を始めたい人
アドバイス型ロボアドバイザーの比較
アドバイス型ロボアドは、「自分で投資信託を買うが、AIから提案は受けたい」という層に適したサービスです。
松井証券「投信工房」
- 投資信託の提案・最適ポートフォリオの自動提案・自動リバランス補助機能など、無料ロボアドの中で機能が頭ひとつ抜けていると評価
- 100円から投信積立が可能
- 新NISAに対応した「成長投資コース」も用意
SMBC日興証券「fund eye Plus」
- 現在のポートフォリオと理想のポートフォリオを比較し、どの銘柄をいくら買えば最適に近づくかまで提案
- リバランス提案に強みがあり、既に投資信託を保有している人に適する
その他(SBI-ファンドロボ、かんたん積立診断、らくらく投資 など)
- 簡単な質問に答えるだけで、投信や資産クラスの配分を提案
- 100円から利用できるサービスが多く、NISAでの銘柄選びに活用可能
AI関連ファンド・AI活用ファンドの活用方法
AI関連ファンドは、AIをテーマにした株式に投資するファンドや、ファンド運用自体にAIを用いるタイプがあります。
代表的な例として、次のようなファンドが挙げられます。
- 三井住友 グローバルAIファンド
- 野村 グローバルAI関連株式ファンド
- AI(人工知能)活用型世界株ファンド
- Oneフォーカス AI など
これらは、成長テーマへの集中投資である一方、値動き(ボラティリティ)が大きくなりやすく、長期のコア資産というよりも、ポートフォリオの一部としてリターンを上乗せする「スパイス」の位置付けに向きます。
AI資産運用サービスのメリットとデメリット
メリット
- 専門知識がなくても、本格的な資産運用が始められる
- AIが24時間マーケットを監視し、膨大なデータをもとに判断を行うため、人間では難しいスピードと精度で運用を実行
- 感情に左右されないルールベースの運用が可能
- 長期・積立・分散投資との相性がよく、資産形成のベースにしやすい
デメリット・注意点
- 元本保証ではない:市場が大きく下落すれば、ロボアドでも損失は出る
- 手数料はインデックス投信の自分運用より高めになりやすい(年率0.5〜1%台+信託報酬)
- 過去の運用実績は将来の成果を保証しない
- サービスごとに投資対象やリスクの取り方が違い、「AIだから安心」というわけではない
どのサービスを選ぶべきか:タイプ別の選び方
ここからは、目的と投資経験別に、AI資産運用サービスの選び方を整理します。
1. 投資初心者で、まずは「おまかせ」で始めたい
- 候補:
- WealthNavi:王道の長期国際分散。NISAとの相性も良い
- THEO / THEO+ docomo:ドコモ経済圏を活用したい場合に有力
- ON COMPASS:少額から始めたい人向け
ポイント
- 長期前提なら、リターンの高さだけでなく、「サービスの安定性」「運営会社の信頼性」「使いやすさ」も重要です。
- 「積立を止めず、淡々と続けられる仕組み」を優先しましょう。
2. ある程度リスクを取り、高いリターンを狙いたい
- 候補:
- ROBOPRO:直近3年のパフォーマンスがトップクラス
- SBIラップ AI投資コース:AIがリスクを動的に調整
ポイント
- 高いリターンを狙う分、相場急変時の値動きも大きくなる可能性があります。
- 投資額を分散させ、「資産全体の一部として利用する」視点が重要です。
3. すでに投資信託やNISAを運用していて、AIでポートフォリオを改善したい
- 候補:
- 松井証券「投信工房」:自動リバランス補助まで含めた高機能アドバイス
- SMBC日興「fund eye Plus」:現在のポートフォリオを具体的に改善提案
- SBI-ファンドロボ、かんたん積立診断などで銘柄選択を効率化
ポイント
- 「すべておまかせ」ではなく、自分で最後の判断をしたい人に向きます。
- NISAの枠を有効活用するための銘柄選びにも有効です。
4. AI関連テーマでハイリスク・ハイリターンを狙いたい
- 候補:
- 三井住友グローバルAIファンド、野村グローバルAI関連株式ファンドなどのAIテーマ型ファンド
ポイント
- 値動きが非常に大きくなる可能性を理解したうえで、ポートフォリオの一部(例:全体の10〜20%)に限定する使い方が現実的です。
AI資産運用サービスを比較する際のチェックポイント
1. 投資一任型かアドバイス型か
- 「完全おまかせ」がいいのか
- 「自分で銘柄を買う前提で、AIの助言だけ欲しい」のか
この選択だけでも、候補が大きく絞り込めます。
2. 手数料とコスト構造
- ロボアドの手数料(年率)+投資信託・ETFの信託報酬を合算した実質コストを見る必要があります。
- 同じロボアドでも、固定報酬型・成功報酬型など仕組みが異なる場合があります。
3. 投資対象(ETF・投信・債券・不動産など)
- 世界株中心なのか、債券・不動産(REIT)などにどの程度分散しているか
- 為替ヘッジの有無なども、中長期ではリスク要因になります。
4. 運用実績と下落耐性
- 直近1年だけでなく、3年以上のトータルリターンを比較する
- 2020年のコロナショック、2022〜2023年のインフレ・金利上昇局面など、下落相場でどう動いたかも重要な評価ポイントです。
5. 使い勝手・UI/UX・サポート
- スマホアプリやWeb画面が直感的で、毎月の入金や状況確認がストレスなく行えるか
- 自動積立設定・NISA対応・税金レポートの分かりやすさなども、長期利用では効いてきます。
AI資産運用を使いこなすための実践的なコツ
コア・サテライト戦略でAIサービスを組み合わせる
- コア(中心):WealthNaviやTHEOなどで「長期・積立・分散」の土台を作る
- サテライト(追加):ROBOPROやAI関連ファンドでリターンの上乗せを狙う
このように役割を分けることで、リスクを管理しながらAIの強みを活かすことができます。
長期・積立・分散をベースにする
WealthNaviのコラムでも、2026年の資産運用の基本として、「長期・積立・分散」を淡々と続けることの重要性が強調されています。
AI投資も例外ではなく、
- 毎月決まった金額を積み立てる
- 暴落時に慌てて解約しない
- 数年単位での成果を見る
といったスタンスが、最終的な成果に直結します。
「AIだから安心」を疑い、リスクを理解する
- AIは万能ではなく、予測が外れることもある
- リスクを理解せずに高リターンだけを追いかけると、想定以上の損失につながる可能性があります。
- 自分の「最大許容損失(例:一時的に30%下がっても耐えられるか)」を具体的にイメージしたうえで金額を決めることが大切です。
これからAI資産運用を始める人への次のステップ
ここまで見てきたように、AI技術を活用した資産運用サービスは、「時間がない」「難しいことは苦手」という人にとって、有力な選択肢になりつつあります。
一方で、サービスごとに投資対象・コスト・リスクの取り方は大きく異なり、「AI投資」という言葉だけで一括りにはできません。
これから取り組むなら、次のステップで整理してみてください。
- 自分が求めているのは
- 完全おまかせ(投資一任型)か
- 助言だけ欲しい(アドバイス型)か
- どの証券会社をすでに使っているか
- 投資期間(5年・10年以上の長期を前提にできるか)
- 最大どのくらいの値下がりまで耐えられるか
- 毎月いくらなら無理なく積み立てられるか
そのうえで、
- コアとしてWealthNavi・THEO・ON COMPASSなどの長期分散ロボアド
- サテライトとしてROBOPROやAI関連ファンド
- 投信選びの効率化にアドバイス型ロボアド
といった組み合わせを検討すると、自分に合ったAI資産運用スタイルが見つかりやすくなります。
資産運用は、本来「一度決めたら終わり」ではなく、ライフステージや市場環境の変化に合わせて、戦略をアップデートし続けるプロセスです。
AI技術は、そのプロセスを効率化し、より合理的な判断をサポートしてくれる強力なツールと言えます。
マーケティングやビジネスの視点も踏まえながら、AI時代の金融・資産運用の潮流を継続的にキャッチアップしたい方は、AI・マーケティング・ビジネスに関する知見を発信しているメディアとして、最新トレンドや実務で役立つ情報を整理・発信することを重視している「M-words(エムワーズ)」のような情報源も定期的にチェックしておくと、意思決定の質を高めやすくなります(M-words公式サイト)。
