投資を始めてみたいけれど、何から手をつければいいか分からない——そんな方に注目してほしいのが「高配当株」です。株価の上下に一喜一憂するのではなく、定期的に入ってくる配当金を楽しみにする。そんな投資スタイルが、じわじわと人気を集めています。
この記事では、2026年1月時点のデータをもとに、注目の高配当株10銘柄をピックアップしました。利回りの高さだけでなく、過去数年の配当の推移や企業の財務状況なども考慮しています。
なぜ今、高配当株なのか
日銀の金融政策が少しずつ変わりつつあり、円安もやや落ち着いてきた2026年。こうした環境下では、安定した収益を生み出せる内需企業や資源関連企業が注目されています。
株価が下がっても配当金は入ってくる——これが高配当株投資の魅力です。ただし、利回りの数字だけで飛びつくのは危険。企業の体力(自己資本比率)や配当を出す余力(配当性向)もチェックする必要があります。
2026年 高配当株ランキングTop10
それでは、今年の注目銘柄を見ていきましょう。以下の表は、松井証券やPayPay証券などのデータを参考に作成しています。
| 順位 | 銘柄名 (コード) | 配当利回り | 年間配当予想 | 最低投資額 | 時価総額 | PER | PBR | ROE | 増配年数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | THK (6481) | 6.07% | 246円 | 約40万円 | 約1兆円 | 12倍 | 1.2倍 | 10.5% | 5年 |
| 2 | 川崎汽船 (9107) | 5.51% | 120円 | 約22万円 | 約2兆円 | 8倍 | 0.9倍 | 15.2% | 3年 |
| 3 | LIXIL (5938) | 4.74% | 150円 | 約30万円 | 約5,000億円 | 10倍 | 1.1倍 | 12.0% | 4年 |
| 4 | 大東建託 (1874) | 4.63% | 200円 | 約25万円 | 約1兆円 | 9倍 | 1.0倍 | 11.8% | 10年超 |
| 5 | ホンダ (7267) | 4.49% | 70円 | 約16万円 | 約8兆円 | 11倍 | 0.8倍 | 14.5% | 20年 |
| 6 | マツダ (7261) | 4.41% | 50円 | 約20万円 | 約1.5兆円 | 9倍 | 0.7倍 | 13.0% | 8年 |
| 7 | 日本郵船 (9101) | 4.39% | 300円 | 約35万円 | 約3兆円 | 7倍 | 0.9倍 | 16.5% | 継続中 |
| 8 | ヤマハ発動機 (7272) | 4.25% | 150円 | 約28万円 | 約1兆円 | 10倍 | 1.0倍 | 11.2% | 6年 |
| 9 | 商船三井 (9104) | 4.22% | 250円 | 約30万円 | 約2.5兆円 | 8倍 | 0.8倍 | 15.8% | 継続中 |
| 10 | 東ソー (4042) | 4.20% | 100円 | 約25万円 | 約1.2兆円 | 12倍 | 1.1倍 | 10.5% | 7年 |
※本表の数値は、松井証券やPayPay証券などの公開データを参考に、2026年1月時点の情報をもとに作成しています。株価や業績の変動により、配当利回りや予想配当額、各種指標は変更される可能性があります。最新の状況や正確な数値については、必ず各社のIR資料や証券会社の情報画面でご確認ください。
1位:THK — 地味だけど強い精密機器メーカー
THKという会社をご存知でしょうか。工作機械や自動車の部品に使われる「リニアガイド」という製品で世界トップクラスのシェアを持つ企業です。電気自動車の普及や自動化投資の拡大などを背景に、業績も堅調に推移しています。
配当利回り6%前後という水準は魅力的で、ROEもおおむね10%前後と一定の収益力があります。
直近では大きく増配しており、株主還元への姿勢が強まっていますが、「連続増配年数」はまだ長期とは言えない点には注意が必要です。
最低投資額は約40万円とやや高めですが、機械・FA関連の高配当銘柄として長期保有候補になり得るでしょう。
2位:川崎汽船 — 海運業界の好調さを享受
川崎汽船は、コンテナ船やバルク船(ばら積み船)を運航する大手海運会社です。2026年は世界の貿易が回復傾向にあり、海運業界全体が追い風を受けています。
配当利回りは5.5%前後と高水準で、海運株の中でも高配当株としてよく登場する銘柄です。
PERやPBRは相対的に割安水準で推移していることが多く、好況期に業績と配当が大きく増える一方で、景気・運賃市況に左右されやすい点はリスクとして意識しておきましょう。
3~5位:内需関連の安定株
3位:LIXIL(5938)
トイレやキッチンなどの住宅設備メーカーで、リフォーム需要など内需に支えられたビジネスを展開しています。配当利回りは4%台後半で、ROEも二桁近辺と一定の収益力があり、景気に左右されにくい住設関連の高配当銘柄として位置づけられます。
4位:大東建託(1874)
賃貸アパートの建設・管理を手がける企業で、オーナー向け賃貸事業を全国に展開しています。長年にわたって配当を重視した経営を続けており、配当利回りは4%台後半。中長期で安定配当を期待する投資家からの人気も高い銘柄です。
5位:ホンダ(本田技研工業・7267)
世界有数の自動車・二輪メーカーで、二輪車は世界トップクラスのシェアを持ちます。配当利回りは4%台半ばで、長期的に減配を避けつつ株主還元を続けてきた実績があります。
時価総額が大きく、売買代金も多いため、流動性の高い大型株として初心者でも売買しやすい銘柄です。
これらの銘柄は時価総額が1兆円級の大企業が中心で、流動性も高く、初心者でも比較的安心して取引しやすいグループといえるでしょう。
6~10位:自動車・化学・海運の有望株
6位:マツダ(7261)
独自のエンジン技術やデザイン性で評価される自動車メーカーです。PBRが1倍を下回る水準で推移している時期もあり、株価指標面で割安感が意識されることがあります。
7位:日本郵船(9101)
海運大手の一角で、コンテナ船や物流事業などを展開しています。高い収益力を背景に高配当銘柄として知られており、ROEも高水準になる局面が多い企業です。
8位:ヤマハ発動機(7272)
バイクや船外機などを手がけるメーカーで、海外売上比率が高く、グローバルに展開しています。配当利回りは4%台前半で、近年は安定した配当と適度な増配を続けてきました。
9位:商船三井(9104)
LNG(液化天然ガス)船などへの投資も行う海運大手で、エネルギー輸送分野にも強みがあります。利回りは4%台前半と高水準ですが、海運市況の変動による業績ブレには注意が必要です。
10位:東ソー(4042)
塩素や苛性ソーダなどの基礎化学品を中心とした化学メーカーで、産業の土台を支える事業を展開しています。配当利回りは4%台前半で、景気循環の影響は受けつつも、基礎化学品の需要に支えられた収益基盤が特徴です。
銘柄選びで気をつけたいこと
配当利回りが高いからといって、それだけで選んではいけません。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 連続増配の実績をチェック
毎年配当を増やし続けている企業は、経営が安定している可能性が高いと考えられます。自動車・金融・リースなどの分野には、長期で減配を避けてきた企業も多く、配当政策の一貫性を確認することが大切です。 - 財務指標を見る
PBR(株価純資産倍率):1倍以下であれば、解散価値から見た割安の可能性があります。海運株や一部自動車株は、PBRが1倍を下回る局面も見られます。
ROE(自己資本利益率):一般的には10%以上が一つの目安とされます。高配当銘柄の中にも、高いROEで効率的に稼いでいる企業があります。
配当性向:50%以下が理想的とよく言われますが、業種やビジネスモデルによって「適正水準」は異なります。利益の大半を配当に回している場合は、業績悪化時の減配リスクも意識しましょう。 - 少額から始められるか
最低投資金額が20万円以下の銘柄なら、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。ランキング上位銘柄の中にも、10万~20万円台から投資できる銘柄が含まれます。
2026年の市場環境とリスク
半導体の需要回復や非鉄金属の価格上昇など、高配当株にとって追い風となる要素もあります。一方で、金利上昇による株価下落や、貿易摩擦の再燃といったリスクもゼロではありません。
また、高配当株はディフェンシブな面がある一方で、景気敏感業種(海運・素材など)も多く含まれるため、「業種の分散」も意識したいポイントです。
その他の注目銘柄
ランキングには入りませんでしたが、以下の銘柄も要チェックです。
- JT(日本たばこ産業)
配当利回りは4%台前半と、高配当株としてよく名前が挙がる銘柄です。
たばこ事業を中心に安定的なキャッシュフローを生み出しており、配当重視の投資家から支持されています。 - 三菱UFJフィナンシャル・グループ
利回りは3%前後と、超高配当というほどではないものの、メガバンクの中では比較的高めの水準です。
金利動向の影響を受けやすい一方で、収益力の底上げと株主還元の強化が続いています。 - 三菱HCキャピタル
リース事業を中心とした安定収益が特徴の総合リース会社です。長期にわたって配当を増やしてきた実績があり、配当を重視した投資先としても注目されています。
実際にポートフォリオを組んでみる
では、具体的にどう投資すればいいのでしょうか。一例を示します(あくまでサンプルであり、投資推奨ではありません)。
- コア(60%):THK、川崎汽船、ホンダなど、利回り4.5%以上の高配当・大型株
- サテライト(30%):大東建託、マツダなど、成長余地や株価の見直し余地がありそうな銘柄
- ディフェンシブ(10%):JT、東ソーなど、景気に左右されにくい安定収益銘柄
このような配分で投資すれば、ポートフォリオ全体の期待利回りはおおむね4%台後半が目安になります(個々の銘柄の株価・配当は常に変動します)。
NISAを活用すれば、一定の条件のもとで配当金を非課税で受け取ることも可能です。
毎月少しずつ買い増していく「積立投資」を組み合わせれば、時間分散の効果も得られます。
よくある質問
Q: 高配当株は株価が下がっても大丈夫?
A: 配当金が入ってくることで、トータルリターンのクッションにはなります。ただし、業績が悪化して減配するリスクもあるため、企業の状況や配当性向、業界環境は定期的に確認しましょう。
Q: REITとの違いは?
A: REITは不動産投資信託で、賃貸物件などから得られる家賃収入を原資に分配金を支払う仕組みです。株式とは異なる資産クラスなので、高配当株と組み合わせることで分散効果を高められます。
Q: 2026年に注目の新興銘柄は?
A: タウンズ(197A)は、医薬品分野のスタンダード市場上場銘柄で、予想配当利回りはおおむね5%台半ばと高水準です。
最低投資金額も数万円台からと比較的少額で、成長性と配当の両方を狙いたい投資家から注目されています。
まとめ
高配当株への投資は、じっくりと資産を育てたい人に向いています。利回りだけでなく、配当の継続性や増配傾向、ROE、財務の健全性などを総合的に判断することが大切です。
この記事で紹介した銘柄や考え方を参考に、自分に合ったポートフォリオを組んでみてください。株価の上下に振り回されすぎず、配当金というインカムゲインを楽しみながら、長期的な資産形成を目指していきましょう。
投資は自己責任です。実際に投資する際は、最新の株価・配当予想・業績などの情報を確認し、ご自身の判断で行ってください。
※本記事で使用した数値は、主に2026年1月時点の証券会社・金融情報サイト等の公開データをもとにしています。
参考サイト・出典
- ダイヤモンド・ザイ「【日本株ランキング】「配当利回りが高い株」と「初心者必見の高配当株」」ほか配当特集記事diamond+1
- PayPay証券 公式メディア「【2026年1月】米国株&日本株 配当利回りランキング」[media.paypay-sec.co]
- kabutan「【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (1月9日現在)」[kabutan]
- みんかぶ「THK (6481) : 配当情報」ほか各銘柄の配当情報ページ[minkabu]
- 銘柄スカウター・ライト(マネックス証券)「THK (6481)の配当・株主還元」[scouter.monex.co]
- 株予報「THK(6481) : 配当情報」[kabuyoho]
- Matsui証券マーケット情報「タウンズ(197A) 東証スタンダード 株価」[finance.matsui.co]
- みんかぶ「タウンズ (197A) : 配当情報」[minkabu]
- ダイヤモンド・ザイ「タウンズ(197A)、『増配』を発表して、配当利回り6.5%にアップ」[diamond]

