2025年に入って、デジタル通貨とフィンテックの世界が大きく動き出しています。規制が整ってきたことで、大手金融機関も本腰を入れ始めました。日本でも円建てステーブルコインがついに発行されるようになり、各銀行がトークン化預金の実験を進めています。国際送金のコストが劇的に下がる可能性も見えてきて、Web3.0との組み合わせで面白い展開になってきました。
この記事では、最新の規制の動きや市場データ、具体的な企業事例をもとに、2025年のデジタル通貨のトレンドを解説します。ビジネスに携わる方や投資に関心のある方に押さえておいてほしいポイントをまとめました。
ステーブルコイン市場の急成長
ステーブルコインは法定通貨にペッグされていて価格が安定しているので、2025年には決済の手段として世界的に定着してきました。今年の第1四半期だけで取引額が約6兆ドルを超えて、Visaの決済額を上回るほどになっています。
中心になっているのは、USDTやUSDCといった米ドル連動型のステーブルコインです。時価総額は3,000億ドルを超えました。USDTは流動性が高くて複数のブロックチェーンで使えるのが便利なんですが、発行体の透明性に不安が残るという声もあります。一方、USDCは規制をきちんと守っている姿勢が評価されて、機関投資家からの支持を集めています。
日本では、2023年6月に資金決済法が改正されてから、ようやく本格的に動き始めました。2025年8月にはJPYC株式会社が資金移動業者として登録を完了して、日本で初めての円建てステーブルコインを発行する予定です。これで、電子決済手段として位置づけられたステーブルコインがブロックチェーン上で自由に使えるようになります。準備金のルールも緩和されて、最大50%まで短期国債で保有できるようになったので、発行する側も資本を効率的に使えるようになりました。
大手金融機関の積極的な参入
2025年は、CircleのIPOやPayPal、Fiservの連携が話題になりました。Fiservは年末に銀行向けのFIUSDをローンチして、PayPalのPYUSDとの相互運用を実現しました。これによって、ステーブルコインが決済エコシステムの中核に組み込まれて、国際送金のコストを銀行の14.55%から数%まで下げられる可能性が現実的になってきています。
日本でも動きがありました。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3大メガバンクが、三菱UFJ信託銀行を受託者にして共同で実証実験を行うと2025年11月に発表しています。大手の信託銀行を中心にトークン化預金の検討が進んでいるわけです。
EY-Parthenonの調査によると、金融機関の56%が、2030年までに国際送金の5〜10%(金額にして2.1兆〜4.2兆ドル)がステーブルコインで行われるようになると予測しているそうです。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)とトークン化預金の進展
日本銀行は2025年5月時点で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット実験を続けています。個人情報の保護を重視した発行モデルを探りながら、民間企業との連携を強めているところです。ステーブルコインとの共存がカギで、CBDCは大規模な決済に特化して、日常的な決済は民間のステーブルコインが担うというハイブリッドな構想が浮上しています。
トークン化預金は、預金をブロックチェーン上でトークン化して即時決済を可能にする技術です。北国銀行の「トチカ」は2024年4月にサービスを始めていて、アプリでチャージした預金を加盟店で使えます。手数料はわずか0.5%です。ゆうちょ銀行も2026年度中にディーカレットDCPプラットフォームで発行する予定で、NFTやセキュリティトークンとの決済連動を目指しています。
こうした動きは、RWA(Real World Assets)の拡大を後押ししています。不動産や社債を小口化する動きが進んで、従来の金融とWeb3.0の融合が加速しているわけです。
主要なデジタル通貨の比較
| 項目 | ステーブルコイン | トークン化預金 | CBDC |
|---|---|---|---|
| 発行主体 | 民間企業(JPYCなど) | 銀行(北国銀行トチカ) | 日本銀行 |
| 主な用途 | 国際送金・DeFi | 加盟店決済・NFT取引 | 大規模決済 |
| 安定性の担保 | 準備金分別管理 | 預金裏付け | 中央銀行信用 |
| 2025年の進捗 | JPYC発行開始 | ゆうちょ実装計画 | パイロット継続 |
この表を見れば分かるように、トークン化預金は手数料が低いので中小の店舗に向いていて、ステーブルコインはグローバルな活用が強みです。
Web3.0とAIの融合
Web3.0は2025年に入って、制度設計のフェーズに移ってきました。EUのMiCA規則が施行されて、米国ではGENIUS法が成立(2027年施行予定)、日本でも資金決済法の改正が進んでいます。特に注目されているのが、デジタルIDウォレットです。EUでは2020年代のうちに義務化される予定で、日本ではマイナンバーとの連携が検討されています。本人確認が標準化されることで、DAO(分散型自律組織)のLLC型活用も広がってきています。
AIとの融合も注目です。AIエージェントがブロックチェーン上でウォレットを自分で管理して、スマートコントラクトを実行するモデルが実証されています。これによって、金融だけでなく不動産やポイント経済といった非金融の産業にも影響が広がっていくでしょう。日本独自のポイント文化とステーブルコインが組み合わさることで、新しい消費のエコシステムが生まれつつあります。
ちなみに、トランプ政権が2025年初頭に発足して以来、暗号資産を支援する姿勢を明確にしています。ビットコインETFが承認されて機関投資家の資金が流入し、価格も過去最高値を更新しました。
セキュリティトークンとRWAの具体例
具体的にどんな使い方ができるのか、いくつか例を挙げます。
デジタル証券化では、社債や不動産をトークン化することで流動性が向上します。国際送金では、ステーブルコインを使うことでコストを99%削減できる事例も出てきています。個人の決済では、JPYCを使ったP2P送金で即時決済が実現しています。
規制環境のグローバル比較と日本企業のチャンス
日本は消費者保護を最優先にして規制を整備してきました。発行者は資産を分別管理する義務があり、破綻した場合は国内で保有することが求められています。FTXの破綻を教訓にした仕組みです。
米国ではGENIUS法でステーブルコインの定義を明確にして、EUはMiCAで包括的な規制をかけています。競争力の面では、日本の準備金緩和が有利に働いています。EYの調査によると、事業会社の65%がステーブルコインへの関心が高まっていると回答しています。金融業以外の企業も、デジタル通貨を使ってサプライチェーンを効率化したり、新しいビジネスモデルを作ったりできるわけです。
RedditやQuoraといったフォーラムでは、「円建てステーブルコインが日常で使えるのはいつ?」とか「税制優遇はあるの?」といった質問がよく出ています。2024年度の税制改正で法人のトークン含み益課税が撤廃される方向で進んでいて、Web3企業にとって環境が改善しつつあります。
2025年の実践的な戦略
投資を考えている方にとっては、ビットコイン(BTC)の長期保有がおすすめです。トランプ政権の政策で価格が過去最高を更新中です。取引所は、GMOコインがアルトコイン26種類に対応していて初心者でも使いやすいでしょう。
企業がデジタル通貨に取り組む場合は、次のようなステップで進めるといいでしょう。
まず、規制に準拠しているか確認します。資金決済法に沿っているかチェックしましょう。次に、ユースケースを選びます。送金に使うのか、決済に使うのか。それから、JPYCや大手銀行とパートナーシップを組みます。AIやWeb3の技術を統合して、エージェントを活用することも検討します。最後に、リスク管理として準備金の監査をしっかり行います。
こうしたステップを踏めば、デジタル通貨を競争優位性に変えることができます。
まとめ
2025年のデジタル通貨とフィンテックのトレンドは、規制が整って技術が融合したことで、金融業界だけでなく非金融の分野にも波及しています。JPYCの発行やトークン化預金が、日本経済を変えていく可能性があります。
最新の動向を追いかけながら、導入を支援する取り組みも進んでいます。すぐに行動を起こすことで、この変化の波に乗れるでしょう。

