私的整理【任意整理】

法的手続きには依らず、債務者と債権者との合意により自主的に負債を整理していく倒産処理手続き。倒産状態やそれに近い状態になった企業が、手形の不渡りを避けるため借入金の弁済期限を延長するなど秘密裏に協議を行うことを「内整理」と呼ぶが、これも私的整理の一部といえる。このため、経営の透明性確保、あるいは経営者のモラル・ハザードなど公平性に欠けるという指摘が多い手続きでもある。
しかし、この私的整理は将来的に収益が見込めるが、過去の負債を抱えていて倒産に至った企業にとっては柔軟な対応が見込めるためにメリットも多くあると考えられる。例えば、「倒産」というレッテルがないため営業基盤を失わずに済み、債権のカットも一律でないため取引先や下請け企業の連鎖倒産を防ぐことができる。ただし、法的拘束力は無いものの私的整理ガイドラインが2003年に提示され、3年以内の黒字化や経営者の退任、債務超過を3年以内に達成することなどの厳しい条件が求められている。このため、西武百貨店など一部の利用にとどまり、私的整理を行う企業の数は少ない。
なお、倒産した企業を解体し、株主や債権者に企業所有の財産を分配する方法(清算型)と、将来性のある事業を継続させて再建を図る方法(再建型)がある。

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