産業空洞化

産業空洞化とは、国内の企業が工場を海外に移すことで、国内の雇用が減少し、同時に国内の産業が衰退していくこと。産業空洞化が起こる原因として、自国の通貨の価値が上がり、海外で人件費を抑えた生産活動が可能になることが挙げられる。国内の雇用が悪化すれば、失業率が増し、景気や社会に悪影響を及ぼす。

日本では1985年のプラザ合意後や2008年のリーマンショック後に急激な円高となり、産業空洞化が問題となった。これは、労働力が豊富で安価な中国や東南アジアに日本企業の生産拠点が移ったことで引き起こされた。日本の生産拠点数や事業所数は90年代以降急激に下がっており、労務や地価等のコスト高を理由として、海外企業にとっての日本への企業立地の魅力も薄れている。

産業空洞化の問題を解決する方法としては、円高から円安に転じること、労働力の受け皿となる新規事業を創出することなどがある。日本では海外での生産比率が年々高まってきているものの、日本企業からの逆輸入も多く、貿易黒字は保っている。また、日本企業の海外進出によって貿易相手国の経済成長を促し、日本からの輸出を誘発する面もあり、産業空洞化が必ずしも負の影響のみを及ぼすものではないとされる。