企業が顧客へ行う一般的なマーケティングとは異なり、企業が従業員に対して行うマーケティングのこと。前者は特にエクスターナルマーケティングと呼ばれ区別される。企業内の従業員をあたかも顧客のように考えて、そのニーズに応じた仕事の提供を目指すこと、またそれに伴う組織の成果向上を主要な目的とする。従業員が仕事に誇りを持てば自然と質の高いサービスが提供されるようになり、顧客満足度を高め、そのことでリピーターが増え、最終的には企業の利益につながるとの考え方に基づいている。そのため経営者側は、顧客満足を重視した経営方針を明確に示し、サービス精神の高い従業員を育てることが大切となる。同時に社内報や社内会議などで情報を共有し、組織への理解を深めることで離職率の低下を目指すことや、報酬や評価制度を確立して高いモチベーションを与えることも求められる。仮にエクスターナルマーケティングにより多くの顧客を獲得したとしても、顧客との重要な接点である従業員が提供するサービスの質が低くては、高い顧客満足度は望めず離反率が上昇する恐れもある。従って、離反率を抑えてブランドロイヤリティの高い顧客と長期的な関係を維持することが重視される現在のマーケティング活動においては重要な概念といえる。
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