一つの物的資源を二つの事業や製品の製造に利用することで生産性を高める効果のこと。例えば、ある製品をつくる工場で、使われていない機器や使われない時期を利用して別の製品をつくることでコンプリメント効果が生まれる。
コンプリメント効果はシナジー効果と並んで、範囲の経済を高める効果となる。どちらも経営資源を複数の製品や分野に利用することで経済性を高める点では共通しているが、シナジー効果はひとつの情報資源を複数の分野で、互いに干渉することなく無制限に利用して生まれる効果であるのに対し、コンプリメント効果は物的資源を用いるため、利用できる限度が明確な効果となっている。
シナジー効果を掛け算、コンプリメント効果を足し算で例えることもある。経営の多角化を実現するには、コンプリメント効果よりもシナジー効果のほうがより重要とされる。
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