プルサーマル計画

使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランにプルトニウムを混ぜた混合酸化物(プルトニウム・ウラン混合酸化物:MOX(Mixed Oxide))を燃料にして一般の原子力発電所で再利用する発電計画のこと。
一般の原子力発電所とは、ウラン燃料のみを使用するために設計された原子力発電所のことで、軽水炉ともいわれる。プルサーマルとは、プルトニウムとサーマルリアクター(Thermal Reactor:軽水炉)とからできた言葉である。日本の電力会社は1999年までにプルサーマル計画を開始し、2010年までに16が18基の軽水炉でMOX燃料を利用する計画を立てていたが、頓挫している。
頓挫の原因の一つとして、現行の原子力発電所はMOX燃料の使用を前提として造られていないことがあげられる。MOX燃料を燃やすと、放射性ガスの環境中への放出量が増えることや、原子炉の出力が不安定になりコントロールが難しくなるなど安全上の問題が未解決のままの計画であった。
また、日本に向けて輸出されたMOX燃料の品質管理データにおいて不正があったという前歴や、毒性が強く核兵器の材料にもなるプルトニウムを扱うということで、原子力発電所のある地元住民らには不安感が根強く、様々な運動を行っている。ただし、プルサーマル計画がうまくいけば、エネルギー資源の海外依存度を小さくすることができ、エネルギー確保ができるというメリットもある。

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