ゼロゼロ物件

入居する際に礼金、敷金を支払う必要のない賃貸物件のこと。一般的に賃貸物件を借りる際に支払う初期費用としては、礼金、敷金のほかにも仲介手数料や最初の家賃などがあり、家賃の5〜6倍程度の金額となることがある。ゼロゼロ物件は初期費用がない分、家賃が高めに設定していることが多いが、それでも初期費用を大幅に抑えることができるのは魅力的であり、とりわけ貯蓄の少ない低所得の労働者に人気がある。

近年、ゼロゼロ物件にまつわるトラブルが続発している。家賃の支払いが数日遅れただけで、不動産業者によって鍵を交換され借り主が部屋に入ることができなくなったり、違約金を請求されるケースなどがそれである。また礼金、敷金には、借り主に何かあった場合の保証金としての意味合いのほか、退去時の修繕費用として用いられることがあるため、ゼロゼロ物件の退去時に高額のクリーニング代を請求されるトラブルも起こっている。ゼロゼロ物件の契約書は賃貸契約ではなく「施設付き鍵の利用契約」となっている場合があり、借り主を保護する借地借家法の適用外とされることがある。そのため、賃貸契約する際には契約書をよく確認する必要がある。