信用創造

銀行が預金と貸し出しを連鎖的に繰り返すことで、預金通貨が増えていく仕組みのこと。銀行が預金者から受け入れる最初の現金預金である本源的預金をもとに、銀行は企業へ融資を行う。貸し出されたお金で支払いを受けた取引先は、すぐに使うあてがなければ、銀行に預けることになる。
こうして、お金が銀行と企業の間を循環し、預金と貸し出しを連鎖的に繰り返すことで預金通貨が増えていく仕組みのことである。銀行の信用創造プロセスにより、本源的預金は新たな預金(派生預金)を生んでいくのである。ただし、銀行は、預金の一定割合の現金を日本銀行に預ける(手元に残す)法定準備預金が義務づけられているため、信用創造プロセスは無限に続くことはできない。また、不良債権問題などは、金融機関の信用創造を損なうために問題視されている。
例えば、預金者から100円を預かったとする。預金に対する法定準備預金の割合のことを法定準備率というが、この法定準備率が10%だったとすると、10円だけを現金で銀行に残し、残りの90円(元本の90%)をA企業に貸付けることができる。A企業は、銀行から借りたお金で、取引先であるB企業に支払いをし、B企業はそのお金を銀行に預けた場合、銀行にはB企業の預金90円が新たに作られることになる。さらに、銀行は90円の90%である81円をC企業に貸付けることができる。そしてC企業よりD企業に渡り、再び銀行に預金された場合、銀行では81円の90%をE企業に貸付けることができる。このように、現金通貨が、数倍の預金通貨に生まれ変わることができるのである。

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