個人版私的整理ガイドライン【個人債務者の私的整理に関するガイドライン】

東日本大震災の被災者を対象として、私的整理により債務を減免するためのガイドラインのこと。震災で住宅を失い、住宅ローンだけが残った場合、新たな住宅を購入しようとすると二重のローンを抱えることになる。そのような二重ローンの救済策として、政府の方針にもとづいて2011年7月に全国銀行協会の研究会がガイドラインをとりまとめた。ガイドラインを使うことにより、自己破産や民事再生などの法的手続きをすることなく、金融機関などの債権者との合意によって債務を整理でき、生活再建への障壁が少なくなる。
対象となるのは、勤務先が被災し解雇になった人などの、震災の影響で既存の債務を返済できなくなったり、将来返済できないことが確実と見込まれる個人。ガイドラインによって設置された第三者機関の「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」が債務者と金融機関の仲裁にあたり、同時に提出書類や弁済計画の作成の支援を行う。運営委員会への相談などにかかる費用は政府が負担する。
破産などの法的手続きではなく、ガイドラインにもとづく私的整理を行った場合、国家資格を使う職業などに就けなくなる資格制限がなく、いわゆるブラックリストに登録されて、クレジットカードの利用や新たなローンの借入れが困難になることもないというメリットがある。ただし、債務が全額免除される可柏ォは低いことや、私的整理は強制力が弱いため、金融機関に断られる可柏ォがあるといった注意点もある。

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