地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出量を減らす技術のこと。火力発電所や製鉄所などCO2の大規模排出源で、放出前の排ガスからCO2を分離・回収し、地下1千メートルより深い帯水層や枯渇油ガス層など地中や海中に圧入、貯留する方法である。
地球温暖化対策では、2020年のCCS実用化に向けて、10年までに世界で20の大規模実証試験を始めることになっており、オーストラリアでは日本との共同実証プロジェクトがスタートしている。また、EUでは、2015年までに12の実験プラントを立ち上げ、将来的には排出量を30%削減する計画で、火力発電所から排出される二酸化炭素を削減する新技術の実用化を推進している。
CCSの活用には、CO2の分離・回収や輸送、貯留などのコストを大幅に引き下げる必要がある。既存技術では、二酸化炭素1トンあたり、50ユーロ以上のコストが必要といわれている。必要なコストは方式によっても異なるが、膜分離法であれば真空ポンプなどの電力と建設費、化学吸収法であれば、吸収液の再生に使用する蒸気のエネルギーと建設費などが大きなウエイトを占めている。また、封じ込めた二酸化炭素が漏れ出すという恐れも懸念されている。
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