通貨の切り上げとは他の通貨との交換レートを変動させることで自国の通貨の価値を向上させることをいう。通常、当該国の中央銀行がドルに対する交換比率を変動させる。
通貨の切り上げが実行された場合、最も大きな影響がでるのは貿易である。輸出に関しては海外からの製品をより安く購入できるようになるため問題はない。しかし、輸出に関しては通貨の価値が上昇することにともなって輸出品の価格も上昇するために輸出さきでの価格競争力が低下する。工業製品などの輸出が多い国が通貨の切り上げを行いたがらないのはこのためである。
通貨の切り上げの具体例としては、円切り上げから円高へ1985年のプラザ合意により日本円の切り上げが行われ、その後日本円の急激な円高傾向が進んだことが挙げられる。また、現在では近年急激に経済力をつけてきた中国が人民元の切り上げに応じるかどうかに世界の注目が集まっている。
経済発展が進み力をつけた国が行う通貨切り上げに対峙するものとして、経済力が弱まったときに輸出力の増強を狙って行う通過の引き下げがある。
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