マイクロファイナンス【microfinance】

小口融資や貯蓄、保険等の金融サービスを享受する機会を与えることで貧困層の所得向上をめざす、低所得者及び零細企業向けの小規模金融システム。金融機会を享受する機会を与えれば所得が向上する、という理念に基づく。金利は一般的に20〜30%と高い。1960年代に高収量品種米を導入する「緑の革命」の際、政府主導で農業銀行や協同組合が設立されたのが発端。1970年代にはグラミン銀行が発端となり、最貧困層を対象に、手続きの簡素化などの工夫を凝らしたマイクロクレジットが主流となった。マイクロクレジットは、融資機会を与えることで事業開始を可狽ノするものだが、1980年代には、事業拡大を可狽ノするものとして貯蓄機会など総合的金融サービスが重要視されるようになった。そのために、中央政府からの補助金に頼らないなど中小金融機関の自立化が目差された。自立化の成功の結果、1990年代にはマイクロファイナンス実施機関が世界各地で増えた。しかし近年では、その手法や理念、金融機関の自立と最貧困層の救済の非両立など、そのシステムが根本的に抱える矛盾が問題視されている。

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