逃避先通貨

金融市場で発生したリスクを避けるために買われる、比較的リスクが低い通貨のこと。買われた逃避先通貨は価格が上昇する。かつては米ドルが逃避先通貨として長らく選ばれてきたが、2008年のリーマンショック以降の米国経済の停滞でドルへの信頼が揺らいだことで、逃避先通貨として選ばれなくなっている。またユーロに関しても、2009年以降ユーロ参加国の一部で国家財政危機が起きているため、逃避先通貨として選ばれない傾向にある。
代わりに日本円やスイスフランといった他の通貨が逃避先通貨として選択されている。逃避先通貨として選ばれる通貨でも、信頼できるのではなく、他が信頼できないからという消去法で選ばれる場合が多い。ノルウェーのクローネ、カナダドル、豪ドル、NZドルなどが逃避先通貨として選ばれることもあるほか、近年ではアジア新興国の通貨が新たな逃避先通貨として認められ始めている。
通貨以外の逃避先の資産としては、金や債権などが挙げられる。金の価格はリーマンショック以降、価格が上がり続けており、改めて金が安全資産として評価されている。

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