日経平均は本当に上がった?ドル建てで見る1年前・5年前・10年前・30年前との比較(2026年8月14日時点)

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2026年8月14日時点で、日経平均株価は68,590円。1年前(42,649円)と比べると約1.6倍という、歴史的に見ても急な上昇です。ところが同じ株価を「米ドル建て」に換算し直すと、景色が少し変わります。この記事では、日経平均を米ドルに換算した水準を、1年前・5年前・10年前・30年前と並べて図解します。

※本記事は公開データの統計的な整理・図解であり、特定の投資判断や売買を推奨するものではありません。

目次

ドル建て日経平均とは

ドル建て日経平均は、円建ての日経平均終値をその日のドル円レートで割った値です。

日経平均(ドル建て)= 日経平均終値(円) ÷ ドル円レート

たとえば日経平均が68,590円、ドル円が159.36円なら、68,590 ÷ 159.36 ≒ 430ドルです。これは「日本株を米ドルという物差しで測ると、どれだけ価値が増えたか」を見る指標だと考えるとわかりやすいでしょう。海外投資家にとっての日本株のリターンや、円資産を海外の資産と比べるときの目安になります。

ドル建て日経平均:4つの時点との比較

日経平均株価(米ドル建て)を1996年・2016年・2021年・2025年・2026年で比較した棒グラフ
日経平均株価(米ドル建て)の時点比較。緑のバーは、その時点から直近まで上昇したことを示します。

直近のドル建て日経平均は約430ドル。1年前の290ドルから+48%、5年前の253ドルから+70%、10年前の166ドルから+159%、30年前の194ドルから+121%という水準です。ドル建てでもしっかり上昇しており、「円安のおかげで見かけ上上がっているだけ」という単純な話ではないことがわかります。

円建てとドル建てで、伸び方はこれだけ違う

日経平均の上昇率を円建てと米ドル建てで比較した棒グラフ
同じ期間でも、円建てとドル建てでは上昇率が大きく異なります。

差がもっとも大きいのは10年前との比較です。円建てでは+305%(約4.1倍)ですが、ドル建てでは+159%(約2.6倍)。10年間でドル円が101円台から159円台へと約56%も円安に振れたため、ドル換算するとおよそ半分近くが目減りした計算になります。

直近1年でも、円建て+61%に対しドル建ては+48%。この1年でドル円は147円台から159円台へ約8%円安が進み、その分がドル建てのリターンから差し引かれています。

数値一覧

時点日付日経平均(円)ドル円ドル建て円建て騰落(直近まで)ドル建て騰落(直近まで)
直近2026-08-1468,590.48159.36$430.42
1年前2025-08-1442,649.26147.12$289.89+60.8%+48.5%
5年前2021-08-1327,977.15110.40$253.41+145.2%+69.9%
10年前2016-08-1216,919.92101.81$166.19+305.4%+159.0%
30年前1996-08-1420,981.11107.94$194.38+226.9%+121.4%
各時点は指定日または直近の営業日の終値。5年前・10年前は指定日が休場のため直前営業日を採用しています。

年率に直すと、30年間の伸びは円建てで年約4.0%、ドル建てで年約2.7%。10年間では円建て年約15.0%、ドル建て年約10.0%。ここ10年の伸びが、30年という長い物差しで見たときの平均をかなり押し上げていることがわかります。

「30年前より10年前のほうが安い」という事実

表をよく見ると、少し不思議な並びに気づきます。10年前(2016年)の16,919円は、30年前(1996年)の20,981円より低いのです。ドル建てで見ても166ドル対194ドルで、10年前のほうが下です。

1996年はバブル崩壊後の下落局面の途中でしたが、その後さらに下げ、2000年代を通じて低迷が続きました。「1996年に日経平均を買って2016年まで持っていたら、20年たっても取り戻せていなかった」というのが、この2つの数字が示す事実です。日本株の長期の歩みが右肩上がり一直線ではなかったことが、時点比較にすると素直に浮かび上がります。

なぜドル建てで見ると評価が変わるのか

円安が進むと、日本株には2つのことが同時に起こります。

  • 円建ての株価は上がりやすくなる:輸出企業の海外売上を円に換算した金額がふくらみ、円ベースの利益が増えるため。
  • ドル建ての株価は下がる方向に働く:円の価値そのものが下がるため、同じ円建て株価でもドルに換算すると小さくなる。

この2つが打ち消し合うので、円建ての上昇率がそのまま「価値の増加」とは限りません。生活実感との差もここから生まれます。輸入品やエネルギー、海外旅行の費用は円安で高くなるため、株価が円建てで大きく上がっても、購買力の伸びはそこまでではない、ということが起こり得ます。

逆に言えば、外貨で資産を持つ人や海外投資家にとっては、ドル建ての水準こそが実際のリターンです。海外から見た日本株の割安・割高を測るときや、米国株など他国の資産と比べるときには、ドル建てで揃えて比較するのが基本になります。

見るときの注意点

  • 日経平均は配当を含まない株価指数です。配当込みのリターンはこれより高くなります。
  • ドル建て換算は物価上昇(インフレ)を調整していません。実質的な購買力を見るには別途インフレ調整が必要です。
  • 日経平均は225銘柄の株価平均型指数で、構成銘柄の入れ替えや株価水準の高い銘柄の影響を受けます。市場全体の動きとは一致しません。
  • 特定の1日の終値を切り取った比較です。基準日を数日ずらすだけで数値は変わります。

まとめ

  • 2026年8月14日時点の日経平均は68,590円、ドル建てで約430ドル。
  • ドル建てでも1年前比+48%、10年前比+159%、30年前比+121%と上昇しており、円安だけで説明できる動きではない。
  • ただし円建ての上昇率(10年前比+305%)と比べると伸びは小さく、この10年の円安が差の主な理由。
  • 10年前の水準は30年前を下回っており、日本株の長期の歩みは一直線ではなかった。

出典・データ取得方法

日経平均株価(^N225)およびドル円(JPY=X)の日次終値は Yahoo Finance chart API(query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/)から取得しました。30年前(1996年8月14日)のドル円は Yahoo Finance の JPY=X の履歴が1996年10月30日以降しか存在しないため、米セントルイス連銀 FRED の日次系列 DEXJPUSfred.stlouisfed.org/graph/fredgraph.csv?id=DEXJPUS)の値を使用しています。他の4時点についても両ソースを照合し、いずれも1円未満の差に収まることを確認しました。当初予定していた Stooq(stooq.com)はブラウザ検証によるアクセス制限が返り、CSVを取得できなかったため使用していません。

データ取得日:2026年8月14日。

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※本記事に掲載している情報は、中立的な立場からの情報提供を目的としたものです。掲載している商品・サービスの購入や利用を推奨・強制するものではありません。投資には価格変動リスクが伴い、元本割れが生じる可能性があります。過去の運用実績やシュミレーション結果は、将来の運用成果を保証するものではありません。また、情報の正確性・最新性には十分配慮しておりますが、 内容の完全性や将来の結果を保証するものではありません。最終的な投資判断は、読者ご自身の判断と責任において行っていただくようお願いいたします。本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる損害についても、当サイトでは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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この記事を書いた人

マネジ局長は、「お金の大辞典」全体を統括する監修者です。

編集者であるマネ辞くんが収集・整理した金融・投資・税制データについて、制度の前提条件やリスク、誤解が生じやすい点がないかをチェックし、「この情報をどう受け取るべきか」という判断軸を補足します。

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