日経平均は本当に上がった?ドル建てで見る1年前・5年前・10年前・30年前との比較(2026年9月18日時点)

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日経平均株価をドル建てで比較した図解記事のアイキャッチ画像

2026年9月18日(金)の日経平均株価の終値は65,018円でした。1年前の45,303円から4割以上、10年前の16,519円と比べればおよそ4倍という水準です。ところが、この「4倍」はあくまで円というモノサシで測った数字にすぎません。同じ10年間で円の価値はドルに対して大きく下がっており、測る物差しをドルに持ち替えると、見える景色はかなり変わります。本記事は、日経平均の終値を同じ日のドル円レートで割って「ドル建ての日経平均」を算出し、1年前・5年前・10年前・30年前と並べて比較したデータ図解です。

本記事は公開データを用いた統計の図解紹介であり、特定の銘柄・商品の売買や投資判断を推奨するものではありません。日経平均株価の終値は Yahoo Finance(^N225)の日次データ、ドル円レートはセントルイス連邦準備銀行の FRED(系列 DEXJPUS/ニューヨーク市場の正午買値ベース)から取得しました。2026年9月21日〜23日は日本市場が休場のため、直近営業日は9月18日(金)です。ドル建ての数値は「日経平均終値 ÷ 同日のドル円レート」で機械的に算出した概算値であり、実際に売買されるドル建て日経平均先物や海外上場ETFの価格とは一致しません。過去の各時点は、それぞれ9月18日に最も近い営業日の終値を採用しています。

目次

1. 結論:ドル建てでも上がっている。ただし上げ幅は円建ての印象よりかなり小さい

日経平均株価をドル建てで比較した棒グラフ(最新・1年前・5年前・10年前・30年前)
日経平均株価「ドル建て」5時点比較(2026年9月18日時点)

ドル建てに換算した日経平均は、直近が約414ドル。1年前は306ドル、5年前は277ドル、10年前は161ドル、30年前は194ドルでした。どの時点と比べても現在のほうが高く、「ドル建てで見たら実は上がっていなかった」という話にはなりません。ただし、上昇率は円建てで見た場合よりも一貫して小さくなります。

比較時点 円建ての上昇率 ドル建ての上昇率
1年前(2025年9月18日) +43.5% +35.4% 8.1ポイント
5年前(2021年9月17日) +113.2% +49.4% 63.8ポイント
10年前(2016年9月16日) +293.6% +156.8% 136.8ポイント
30年前(1996年9月18日) +207.3% +113.9% 93.4ポイント

とくに10年前との比較が象徴的です。円建てでは「約3.9倍」ですが、ドル建てでは「約2.6倍」。どちらも同じ日経平均の話なのに、受ける印象はまったく違います。

2. 5つの時点の数字を並べる

計算の元になった数字をすべて並べると次のとおりです。ドル建ての値は、その行の日経平均終値をその行のドル円レートで割ったものです。

時点 基準日(営業日) 日経平均・円建て ドル円レート 日経平均・ドル建て
直近 2026年9月18日 65,018.95円 156.87円 414.48ドル
1年前 2025年9月18日 45,303.43円 148.02円 306.06ドル
5年前 2021年9月17日 30,500.05円 109.94円 277.42ドル
10年前 2016年9月16日 16,519.29円 102.36円 161.38ドル
30年前 1996年9月18日 21,156.75円 109.21円 193.73ドル

この表で先に気づいておきたいのが、ドル円レートの列です。5年前(109.94円)と30年前(109.21円)がほぼ同じ水準だという点は、後で効いてきます。

3. 円建てとドル建てで、上昇率はこれだけ違う

日経平均株価の円建てとドル建ての上昇率を比較した棒グラフ
同じ日経平均でも「円建て」と「ドル建て」で上昇率はこれだけ違う

青が円建て、オレンジがドル建ての上昇率です。1年前との比較では差が8ポイント程度にとどまりますが、期間が長くなるほど差は開き、10年前との比較では137ポイント近い開きになります。これは、この10年間に進んだ円安の分だけ、円で測った株価が「かさ上げ」されているためです。

4. なぜ差が出るのか:株価指数は「二重構造」で動いている

株価指数の変化には、実は2つの要素が混ざっています。

  • 株そのものの価値の変化(企業の業績や期待の変化)
  • 株を測っている通貨の価値の変化(為替)

円建ての日経平均はこの両方を合わせて表示しますが、ドル建てに直すと後者の影響を取り除いた姿に近づきます。計算式は単純で、ドル建て=円建て ÷ ドル円レートです。ドル円が上がる(円安になる)ほど、割り算の分母が大きくなり、ドル建ての数字は小さくなります。

実際の為替の動きを見ると、10年前のドル円は102.36円で、現在は156.87円。ドルの側から見れば約53%の上昇、円の側から見ればドルに対して約35%の価値下落です。5年前比では約30%、30年前比でも約30%、円はドルに対して安くなっています。一方で1年前比の円安は約6%にとどまるため、直近1年についてはドル建てと円建ての差も小さく出ています。

言い換えると、日本株を買って円で持っていた人と、ドルを円に替えて日本株を買い、また ドルに戻した海外投資家とでは、同じ期間・同じ指数でも手元に残る成果が違うということです。ドル建ての数字は、後者に近い目線を示しています。

5. 10年前と30年前の「逆転」

この表にはもう一つ、見落としやすい事実が写り込んでいます。10年前(2016年9月/16,519円)は、30年前(1996年9月/21,157円)よりも低いという点です。ドル建てで見ても161ドル対194ドルで、やはり10年前のほうが低くなっています。

つまり1996年から2016年までの20年間、日経平均は円建てでもドル建ても水準を切り下げていました。よく言われる「失われた20年」は、為替の影響を取り除いたドル建てのモノサシでも確認できるということです。逆に言えば、今回の比較で最も上昇率が大きく出ているのが「10年前比」なのは、比較の起点が低かったことも一因です。統計を読むときは、伸び率の大きさだけでなく「どこを起点にしているか」を必ず確認したいところです。

6. バブル期のピーク、そして2026年6月の最高値との比較

もう少し時間軸を広げてみます。日経平均の史上最高値としてよく知られるのが1989年12月29日の終値38,915.87円です。この日のドル円は143.80円でしたので、ドル建てに直すと約270.62ドル。現在の414.48ドルは、バブル期のピークをドル建てでも約1.5倍上回っている計算になります。円建てだけでなく、ドルというモノサシで見ても当時の水準を超えているわけです。

一方、直近が「いま最も高い」わけではない点にも触れておきます。今回使用したデータの範囲では、円建ての最高値は2026年6月25日の72,366.34円、ドル建ての最高値は2026年6月22日の447.98ドルでした。9月18日時点は、円建てでピークから約10.2%、ドル建てで約7.5%低い水準にあります。今年の夏以降は、円建て・ドル建てのどちらで見ても調整局面にあるということです。

7. ドル建てで見るときの注意点

ドル建て換算は便利な視点ですが、万能ではありません。使ううえで押さえておきたい点が4つあります。

  • 為替という別の変数が入る:ドル建ての数字が下がったとき、それが「日本株が下がった」のか「円が安くなった」のかは、分けて見ないと分かりません。
  • 配当が入っていない:日経平均は配当を含まない価格指数です。配当込みの実際の投資成果とは差が出ます。
  • 生活実感は円建てに近い:日本で働き、円で買い物をする人にとっては、円建ての資産額のほうが実感に合います。ドル建ては「海外から見た日本株の値段」に近い視点です。
  • 基準通貨を変えれば結論も変わる:ユーロ建て、金建て、あるいは物価で割った実質ベースなど、モノサシを変えれば同じ株価指数から別の姿が見えてきます。どれか一つが正解というものではありません。

まとめ

2026年9月18日時点の日経平均は、円建てで65,018円、ドル建てで約414ドル。1年前・5年前・10年前・30年前のいずれと比べても、円建て・ドル建ての両方で上昇しています。ただし上昇率は、10年前比で円建て約3.9倍に対しドル建て約2.6倍というように、モノサシによって大きく変わります。

「日経平均が過去最高値圏」というニュースを見たとき、それが企業価値の向上を映したものなのか、円の価値の下落を映したものなのか。その両方が混ざっているのが実際のところで、ドル建てへの換算は、その内訳をざっくり切り分けるための一つの道具です。数字を鵜呑みにせず、どの通貨で測られた数字なのかを意識して読むと、株価のニュースはぐっと立体的になります。

データの出典

  • 日経平均株価(終値):Yahoo Finance チャートAPI 系列 ^N225 の日次データ
  • ドル円レート:セントルイス連邦準備銀行 FRED 系列 DEXJPUS(ニューヨーク市場・正午買値)の日次データ
  • 集計日:2026年9月23日(直近営業日は2026年9月18日)

※当初予定していた Stooq の日次CSVは、取得時にアクセス制限により配信されなかったため、上記2系列で代替しました。いずれも実際にHTTPリクエストが成功し、レスポンスを取得できたデータのみを使用しています。

※本記事は統計データの紹介を目的としたものであり、投資の勧誘や助言を行うものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いいたします。

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※本記事に掲載している情報は、中立的な立場からの情報提供を目的としたものです。掲載している商品・サービスの購入や利用を推奨・強制するものではありません。投資には価格変動リスクが伴い、元本割れが生じる可能性があります。過去の運用実績やシュミレーション結果は、将来の運用成果を保証するものではありません。また、情報の正確性・最新性には十分配慮しておりますが、 内容の完全性や将来の結果を保証するものではありません。最終的な投資判断は、読者ご自身の判断と責任において行っていただくようお願いいたします。本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる損害についても、当サイトでは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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この記事を書いた人

マネジ局長は、「お金の大辞典」全体を統括する監修者です。

編集者であるマネ辞くんが収集・整理した金融・投資・税制データについて、制度の前提条件やリスク、誤解が生じやすい点がないかをチェックし、「この情報をどう受け取るべきか」という判断軸を補足します。

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