最終更新: 2026年10月06日
円安や海外金利の動きを見て「外貨預金を始めたいけれど、どこを選べばいいのか」と迷う人は多いはずです。ただ、外貨預金の損益は金利よりも為替手数料と為替相場で大きく左右されます。この記事では特定の銀行を推奨するのではなく、全国銀行協会・預金保険機構・国税庁などの一次情報をもとに、外貨預金を選ぶための7つの比較軸と、100万円を米ドルで預けた場合の損益試算を2026年10月時点の情報で整理します。
この記事の結論
- 外貨預金の比較はまず為替手数料(往復コスト)から
- 外貨預金は預金保険の対象外。円換算で元本割れもある
- 為替差益は雑所得、利息は20.315%の源泉分離課税
この記事の目次
- 外貨預金のおすすめを探す前の結論:どんな人に向くか
- 外貨預金を比較する7つの軸(比較表)
- 外貨預金の各軸の解説と100万円の損益試算
- 外貨預金が向いている人・向かない人
- 外貨預金の選び方まとめ
- よくある質問
- 出典・参考資料
外貨預金のおすすめを探す前の結論:どんな人に向くか
外貨預金は、円を外国通貨に替えて預ける預金です。払い戻し時に預け入れ時より円安になっていれば為替差益、円高になっていれば為替差損が生じ、外貨建ての元本は減らなくても円に戻したときの金額は減ることがあります。さらに外貨預金は預金保険の保護対象外で、金融機関が破綻した場合は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部カットされることがあります。
そのため「おすすめの外貨預金」は人によって変わります。数年単位で外貨のまま保有でき、海外旅行や留学など外貨を使う予定がある人には選択肢になりますが、近いうちに円で使う予定の資金や、元本の円換算額を減らしたくない資金には向きません。まず下の比較軸で、自分の使い方に合う条件を絞り込むのが近道です。
出典: 外貨預金の特徴を知る(教えて!くらしと銀行)、(4)保護される預金等の範囲
外貨預金を比較する7つの軸(比較表)
全国銀行協会によると、円と外貨を交換する際の相場にはTTS(円→外貨)とTTB(外貨→円)があり、どちらも各銀行が独自に定めています。為替手数料は銀行や取引チャネルで異なり、例えば千葉銀行の米ドルの為替手数料(片道、1通貨単位あたり)は窓口1円・ATM0.8円・インターネットバンキング0.5円、三菱UFJ銀行はインターネットバンキング25銭・窓口1円と公表しています。
| 比較軸 | 確認するポイント | 差が出やすい点 |
|---|---|---|
| 為替手数料 | TTS・TTBとTTMの差(片道何円・何銭か) | 窓口とネットで差がある。往復で2倍かかる |
| 金利 | 外貨定期は固定金利、外貨普通は変動金利 | 通貨・期間・キャンペーンで異なる |
| 預入通貨 | 米ドル・ユーロ・豪ドルなど取扱通貨 | 通貨ごとに手数料と為替変動の大きさが違う |
| 満期・預入期間 | 1か月・3か月・1年など、中途解約の可否 | 定期は原則中途解約不可(銀行が認めた場合を除く) |
| 預金保険 | 外貨預金は保護対象外 | どの銀行でも同じ。財務の健全性を確認 |
| 為替差損リスク | 円高で円換算額が減る | 為替予約で満期の受取円額を確定できる |
| 為替差益の税金 | 雑所得として総合課税、利息は源泉分離課税 | 為替予約付きは源泉分離課税になる場合がある |
出典: 外貨預金の特徴を知る(教えて!くらしと銀行)、No.1520 金融類似商品と税金、<外貨預金>為替手数料とは何ですか。、外貨預金の為替手数料
外貨預金の各軸の解説と100万円の損益試算
金利と預入期間:全国銀行協会の解説では、外貨定期預金は預け入れ時の金利が満期まで変わらない固定金利、外貨普通預金は変動金利で、定期の期間は1か月・3か月・1年などが多いとされています。原則として中途解約はできず、銀行がやむを得ないと認めた場合に限られる点も確認が必要です。
預金保険:預金保険機構は、一般預金等を1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等で保護するとしていますが、外貨預金はこの保護の対象外と明示しています。保護対象外の預金等は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、どの銀行で預けても条件は同じです。預け先を選ぶ際は手数料や金利だけでなく、金融機関の財務状況も確認しておくと安心です。
税金:外貨預金の利息は利子所得として、所得税15.315%と住民税5%の計20.315%が源泉徴収され課税関係が終わる源泉分離課税です。為替差益は雑所得として総合課税され、給与所得者で給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。為替予約を付けて元本と利息を円換算する外貨預金の換算差益は、金融類似商品として20.315%の源泉分離課税になります。
下の表は、2026年10月5日の日本銀行公表のドル・円スポット(17時時点157.65〜157.67円)を参考に、TTM157円・為替手数料片道1円・1年定期金利3.0%(いずれも仮定)として100万円を預けた場合の試算です。手数料往復2円分だけで約12,658円のコストになり、利息を除くとTTMが159円以上にならないと元本の円換算額は100万円に戻りません。
| 項目 | 円高10円(TTM147円) | 変動なし(TTM157円) | 円安10円(TTM167円) |
|---|---|---|---|
| 預入額(TTS158円) | 6,329.11ドル | 6,329.11ドル | 6,329.11ドル |
| 税引後利息(189.87ドル×(1−20.315%)) | 151.30ドル | 151.30ドル | 151.30ドル |
| 満期時のTTB | 146円 | 156円 | 166円 |
| 元本の円換算(ドル×TTB) | 924,051円 | 987,342円 | 1,050,633円 |
| 利息の円換算 | 22,090円 | 23,603円 | 25,116円 |
| 受取合計 | 946,141円 | 1,010,945円 | 1,075,749円 |
| 損益(受取合計−100万円) | −53,859円 | +10,945円 | +75,749円 |
| うち元本の為替差損益 | −75,949円 | −12,658円 | +50,633円(雑所得) |
出典: 外貨預金の特徴を知る(教えて!くらしと銀行)、(4)保護される預金等の範囲、No.1310 利子所得、No.1520 金融類似商品と税金、<外貨預金>為替手数料とは何ですか。、外貨預金の為替手数料、外国為替市況(日次)、No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
外貨預金が向いている人・向かない人
試算のとおり、為替が10円円高になると、金利3.0%の利息を受け取っても5万円を超える損失になります。外貨預金を選ぶ際は「金利の高さ」より先に、為替手数料が往復でいくらかかるか、為替変動に耐えられる期間と金額かを確認しましょう。満期時に円高なら外貨のまま継続する、外貨として使うといった選択肢を持てる人ほど、為替差損を確定させずに済みます。
- 向いている人:外貨を数年単位で保有でき、生活資金と分けて預けられる
- 向いている人:旅行・留学・海外送金など外貨を使う予定がある
- 向かない人:1〜2年以内に円で使う予定の資金を預けたい
- 向かない人:預金保険で保護される資金として置いておきたい
- 向かない人:為替手数料や税金の計算を確認する手間をかけられない
出典: 外貨預金の特徴を知る(教えて!くらしと銀行)、(4)保護される預金等の範囲
外貨預金の選び方まとめ
外貨預金に万人向けの「おすすめ」はなく、為替手数料・金利・通貨・満期・預金保険・為替リスク・税金の7軸で自分の目的に合うかを確かめることが大切です。特に為替手数料は、三菱UFJ銀行の米ドルのように窓口1円・ネット25銭と4倍の差がある例もあり、往復で効いてきます。預金保険の対象外であること、為替差益は雑所得、利息は20.315%の源泉分離課税であることも押さえ、各銀行の公式サイトで最新の手数料と金利を確認してから預け入れましょう。
出典: 外貨預金の特徴を知る(教えて!くらしと銀行)、(4)保護される預金等の範囲、No.1310 利子所得、外貨預金の為替手数料
よくある質問
Q. 外貨預金で為替手数料が安いのはどこですか?
A. 手数料は銀行と取引チャネルで異なります。例えば米ドル片道で、千葉銀行は窓口1円・インターネットバンキング0.5円、三菱UFJ銀行はインターネットバンキング25銭・窓口1円と公表しています。往復でかかるため、TTS・TTBとTTMの差を各行の公式サイトで比べましょう。
Q. 外貨預金は預金保険で守られますか?
A. 守られません。預金保険機構は外貨預金を保護対象外としており、金融機関が破綻した場合は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部カットされることがあります。円預金の元本1,000万円までの保護とは扱いが異なります。
Q. 外貨預金の為替差益に税金はかかりますか?
A. かかります。為替差益は雑所得として総合課税の対象で、為替差損は雑所得から差し引けます。給与所得者で給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。利息は20.315%の源泉分離課税で、申告の必要はありません。
Q. 外貨預金はやめたほうがいいですか?
A. 目的次第です。外貨のまま長く持てる人や外貨を使う予定がある人には選択肢になりますが、近く円で使う資金には為替差損と手数料のリスクがあります。試算では手数料片道1円でも往復で約1.3%のコストになるため、期間と目的を決めてから判断しましょう。
出典・参考資料
- 外貨預金の特徴を知る(教えて!くらしと銀行)(全国銀行協会、2026-10-06閲覧)
- (4)保護される預金等の範囲(預金保険機構、2026-10-06閲覧)
- No.1310 利子所得(国税庁、2026-10-06閲覧)
- No.1520 金融類似商品と税金(国税庁、2026-10-06閲覧)
- <外貨預金>為替手数料とは何ですか。(千葉銀行、2026-10-06閲覧)
- 外貨預金の為替手数料(三菱UFJ銀行、2026-10-06閲覧)
- 外国為替市況(日次)(日本銀行、2026-10-06閲覧)
- No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁、2026-10-06閲覧)
本記事は制度・商品の一般的な情報を、記載日時点の公的機関・事業者の公開資料に基づいてまとめたものです。税務・年金・保険・投資の個別の判断は、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等の専門家、または所管の窓口にご確認ください。金融商品の価値は変動し、元本を割り込むことがあります。










