最終更新: 2026年10月06日
「イデコの上限は自分だといくら?」は、働き方や勤務先の企業年金の有無で答えが変わるため迷いやすい疑問です。しかも2026年12月拠出分(2027年1月引落し分)から上限が大きく引き上げられます。この記事では、2026年10月時点の現行上限と改正後の上限を加入区分別の早見表で整理し、掛金で税金がどれだけ軽くなるかを計算例3パターンで示します。
この記事の結論
- 企業年金のない会社員は月2.3万円→改正後は月6.2万円
- 企業年金ありは6.2万円から会社の掛金等を引いた額が上限
- 自営業者は月6.8万円→7.5万円、専業主婦(夫)は2.3万円のまま
この記事の目次
- イデコの上限の結論:2026年12月拠出分から大幅に引き上げ
- イデコ上限の計算式と節税額を決める公的パラメータ
- イデコ上限まで拠出した場合の節税額早見表(年額)
- イデコ上限の計算例3パターン(会社員・DB加入者・自営業者)
- イデコの上限を引き上げる前に確認したい注意点
- イデコ上限のまとめ
- よくある質問
- 出典・参考資料
イデコの上限の結論:2026年12月拠出分から大幅に引き上げ
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金上限(拠出限度額)は、国民年金の被保険者種別と勤務先の企業年金の有無で決まります。2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、iDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額の引き上げが2026年12月1日施行予定とされ、国民年金基金連合会は2026年12月分(2027年1月引落し分)から上限が上がると案内しています。
改正後は、会社員・公務員(第2号加入者)のiDeCo単独の上限がなくなり、企業年金と共通の月6.2万円の枠に一本化されます。自営業者など(第1号加入者)は国民年金基金等との共通枠が月7.5万円になります。2026年10月6日現在は、まだ改正前の上限が適用されている点に注意してください。
| 加入区分 | 現行(〜2026年11月分) | 改正後(2026年12月分〜) |
|---|---|---|
| 第1号(自営業者・学生等) | 6.8万円(国民年金基金等と合算) | 7.5万円(国民年金基金等と合算) |
| 第2号・企業年金なし | 2.3万円 | 6.2万円 |
| 第2号・企業型DCのみ | 5.5万円−DC事業主掛金(最大2万円) | 6.2万円−DC事業主掛金 |
| 第2号・DB等あり/公務員 | 5.5万円−(DC掛金+他制度掛金相当額)(最大2万円) | 6.2万円−(DC掛金+他制度掛金相当額) |
| 第3号(専業主婦・主夫) | 2.3万円 | 2.3万円(据え置き) |
出典: iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等、制度改正について(2022年・2024年の制度改正の概要)、よくあるご質問、2025年の制度改正、iDeCo拠出限度額の引き上げ(PDF)、iDeCoがパワーアップします!(PDF)、iDeCoの拠出限度額の引き上げ(2026年12月施行)による加入者掛金額変更(増額)の特例のご案内(PDF)
イデコ上限の計算式と節税額を決める公的パラメータ
企業年金がある会社員の上限は、現行は「月5.5万円−(企業型DCの事業主掛金+DB等の他制度掛金相当額)」で、かつ月2万円が上限です。2024年12月の改正で、DB加入者と公務員の上限は1.2万円から最大2万円になりました。改正後は「月6.2万円−事業主の拠出額」となり2万円の単独上限は廃止されます。掛金は月5,000円以上1,000円単位のため、残りが5,000円未満だと拠出できません。
掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です。節税額の目安は「年間掛金×(所得税率+住民税10%)」で、所得税率は課税所得に応じて5〜45%の7段階です。所得税には別途、基準所得税額の2.1%の復興特別所得税がかかりますが、本記事の計算では簡略化のため除いています。
| 課税所得金額 | 所得税率 | 所得税+住民税 |
|---|---|---|
| 1,000円〜194.9万円 | 5% | 15% |
| 195万〜329.9万円 | 10% | 20% |
| 330万〜694.9万円 | 20% | 30% |
| 695万〜899.9万円 | 23% | 33% |
| 900万〜1,799.9万円 | 33% | 43% |
| 1,800万〜3,999.9万円 | 40% | 50% |
| 4,000万円以上 | 45% | 55% |
出典: 制度改正について(2022年・2024年の制度改正の概要)、よくあるご質問、DB等の他制度に加入している方(公務員を含む)は、iDeCoの拠出限度額が1.2万円→最大2万円に変わります(PDF)、No.2260 所得税の税率、No.1135 小規模企業共済等掛金控除、iDeCoのメリット、iDeCoを併用される方は…(2026年12月からの拠出限度額見直し)(PDF)
イデコ上限まで拠出した場合の節税額早見表(年額)
上限いっぱいまで拠出した場合の、所得税と住民税の軽減額の目安です。月2.3万円は企業年金なしの会社員の現行上限、月6.2万円は同じ人の改正後上限、月7.5万円は第1号加入者の改正後上限(国民年金基金等に加入していない場合)にあたります。所得控除で課税所得が下の税率区分にまたがると、実際の軽減額はこの表より小さくなります。
| 所得税+住民税 | 月2.3万円(年27.6万円) | 月6.2万円(年74.4万円) | 月7.5万円(年90万円) |
|---|---|---|---|
| 15% | 41,400円 | 111,600円 | 135,000円 |
| 20% | 55,200円 | 148,800円 | 180,000円 |
| 30% | 82,800円 | 223,200円 | 270,000円 |
| 33% | 91,080円 | 245,520円 | 297,000円 |
| 43% | 118,680円 | 319,920円 | 387,000円 |
出典: iDeCo拠出限度額の引き上げ(PDF)、iDeCoがパワーアップします!(PDF)、No.2260 所得税の税率、iDeCoのメリット
イデコ上限の計算例3パターン(会社員・DB加入者・自営業者)
Aは企業年金のない会社員、BはDBに加入する会社員で他制度掛金相当額を月1.5万円と仮定、Cは国民年金基金に月1万円を払う自営業者と仮定しました。課税所得はA=300万円、B・C=500万円とし、所得控除後も同じ税率区分にとどまる前提です。Bは現行だと5.5万円−1.5万円=4万円でも2万円で頭打ちですが、改正後は4.7万円まで拠出できる計算です。
Cのように国民年金基金や付加保険料を払っている第1号加入者は、その掛金と合わせて上限を判定します。国民年金基金連合会の案内では、付加保険料を納付している人の改正後の上限は月7.4万円とされています。自営業者は控除額が大きい分、課税所得が下がって税率区分が変わりやすいため、試算では控除後の課税所得も確認しましょう。
| 項目 | A 企業年金なし | B DB加入 | C 自営業者 |
|---|---|---|---|
| 課税所得(税率) | 300万円(10%) | 500万円(20%) | 500万円(20%) |
| 現行の月額上限 | 2.3万円 | 2万円 | 6.8万−1万=5.8万円 |
| 改正後の月額上限 | 6.2万円 | 6.2万−1.5万=4.7万円 | 7.5万−1万=6.5万円 |
| 現行上限での軽減額 | 27.6万×20%=55,200円 | 24万×30%=72,000円 | 69.6万×30%=208,800円 |
| 改正後上限での軽減額 | 74.4万×20%=148,800円 | 56.4万×30%=169,200円 | 78万×30%=234,000円 |
出典: iDeCo拠出限度額の引き上げ(PDF)、iDeCoの拠出限度額の引き上げ(2026年12月施行)による加入者掛金額変更(増額)の特例のご案内(PDF)、DB等の他制度に加入している方(公務員を含む)は、iDeCoの拠出限度額が1.2万円→最大2万円に変わります(PDF)、No.2260 所得税の税率、iDeCoのメリット、iDeCoを併用される方は…(2026年12月からの拠出限度額見直し)(PDF)
イデコの上限を引き上げる前に確認したい注意点
改正では加入可能年齢も広がり、60歳以上70歳未満で国民年金被保険者でない人も、iDeCo加入者・運用指図者などの要件を満たせば加入・継続拠出できるようになります(2026年12月1日施行予定、上限は原則月6.2万円)。一方で、掛金は原則60歳まで引き出せないため、上限額より「無理なく続けられる額」を優先して決めることが大切です。
現行制度でも、DB等の他制度掛金相当額が大きい人は上限が2万円を下回り、5.5万円から事業主の拠出額を引いた額が最低掛金の5,000円未満になると拠出できません。その場合は資産額が25万円以下などの要件を満たせば脱退一時金を受け取れます(2024年12月改正)。改正後は共通枠が6.2万円に広がるため、拠出できる余地が生まれる場合があります。
- 掛金変更は原則年1回(12月分〜翌年11月分)。2026年12月〜2027年11月の特例期間中、改正前の上限を超える初回の増額は回数に数えない
- 控除は支払った年の分。2026年12月分は2027年1月引落しのため、改正後の上限が控除に効くのは2027年(令和9年)分から
- 企業年金ありの人は、事業主の拠出額次第で上限が下がったり、拠出できなくなったりする
- 国民年金保険料の免除を受けている第1号被保険者は、原則として加入できない
出典: iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等、制度改正について(2022年・2024年の制度改正の概要)、2025年の制度改正、iDeCoがパワーアップします!(PDF)、iDeCoの拠出限度額の引き上げ(2026年12月施行)による加入者掛金額変更(増額)の特例のご案内(PDF)、No.1135 小規模企業共済等掛金控除、iDeCoを併用される方は…(2026年12月からの拠出限度額見直し)(PDF)
イデコ上限のまとめ
iDeCoの上限は、現行が月2.3万円(企業年金なしの会社員・第3号)、最大2万円(企業年金あり・公務員)、月6.8万円(第1号)です。2026年12月拠出分からは第2号が企業年金と合わせて月6.2万円、第1号が月7.5万円に上がります。まず自分の加入区分と勤務先の掛金額を確かめ、課税所得から節税額を見積もったうえで掛金を決めましょう。
出典: よくあるご質問、2025年の制度改正、iDeCo拠出限度額の引き上げ(PDF)、iDeCoがパワーアップします!(PDF)
よくある質問
Q. 確定拠出年金(企業型DC)とiDeCoの上限は合算されますか?
A. はい。会社員の上限は、現行は月5.5万円から企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額を引いた額(最大2万円)です。2026年12月分からは月6.2万円から事業主の拠出額を引いた額になり、2万円の単独上限はなくなります。
Q. iDeCoの上限まで掛けないともったいないですか?
A. 上限まで掛ける必要はありません。掛金は月5,000円以上1,000円単位で決められ、原則60歳まで引き出せません。所得税・住民税がかからない人は所得控除の効果もないため、生活費や他の目的資金を優先し、続けられる額にしましょう。
Q. 改正後の上限に合わせて掛金を増やすにはどうすればいい?
A. 加入している運営管理機関(金融機関)で掛金額変更の手続きをします。2026年12月1日〜2027年11月30日の特例期間中に、改正前の上限を超える額へ初めて増額する場合は、年1回の変更回数に数えない扱いです。
Q. 公務員のiDeCoの上限はいくらですか?
A. 現行は月5.5万円から共済掛金相当額を引いた額で、最大2万円です(2024年12月に1.2万円から引き上げ)。2026年12月分からは月6.2万円から共済掛金相当額を引いた額になり、国民年金基金連合会の特例案内では、国家・地方公務員は月5.4万円、私学共済は月5.5万円が増額後の上限として示されています。
Q. 自分の他制度掛金相当額はどこで確認できますか?
A. DB等の他制度掛金相当額(公務員は共済掛金相当額)は勤務先の人事・福利厚生担当に確認します。企業型DCの事業主掛金は、企業型DCの加入者専用サイトで確認できると厚生労働省は案内しています。
出典・参考資料
- iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等(国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)、2026-10-06閲覧)
- 制度改正について(2022年・2024年の制度改正の概要)(国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)、2026-10-06閲覧)
- よくあるご質問(国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)、2026-10-06閲覧)
- 2025年の制度改正(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- iDeCo拠出限度額の引き上げ(PDF)(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- iDeCoがパワーアップします!(PDF)(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- iDeCoの拠出限度額の引き上げ(2026年12月施行)による加入者掛金額変更(増額)の特例のご案内(PDF)(国民年金基金連合会、2026-10-06閲覧)
- DB等の他制度に加入している方(公務員を含む)は、iDeCoの拠出限度額が1.2万円→最大2万円に変わります(PDF)(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- No.2260 所得税の税率(国税庁、2026-10-06閲覧)
- No.1135 小規模企業共済等掛金控除(国税庁、2026-10-06閲覧)
- iDeCoのメリット(国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)、2026-10-06閲覧)
- iDeCoを併用される方は…(2026年12月からの拠出限度額見直し)(PDF)(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
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