日経平均株価は2026年9月11日の終値で64,011円。この記事では日経平均を米ドル建てに換算し、1年前・5年前・10年前・30年前と並べて比較しました。「株価が上がった」と言うとき、それを測るものさし=通貨を円から変えると、見え方はかなり変わります。
米ドル建て日経平均の比較チャート

数字で見る一覧表
| 時点 | 日付 | 日経平均(円) | ドル円 | 米ドル建て | 直近までの変化(円建て/外貨建て) |
|---|---|---|---|---|---|
| 直近 | 2026年9月11日 | 64,011円 | 154.04円 | $415.6 | — |
| 1年前 | 2025年9月12日 | 44,768円 | 147.92円 | $302.7 | +43.0% / +37.3% |
| 5年前 | 2021年9月14日 | 30,670円 | 110.11円 | $278.5 | +108.7% / +49.2% |
| 10年前 | 2016年9月14日 | 16,614円 | 102.84円 | $161.6 | +285.3% / +157.2% |
| 30年前 | 1996年9月(月次平均) | 20,824円 | 109.75円 | $189.7 | +207.4% / +119.0% |
なぜ「米ドル建て」で見るのか
株価指数は、その国の通貨で表示されます。日経平均なら円建てです。ところが、円そのものの価値が他通貨に対して下がっていれば、円で測った株価が上がっても、海外の投資家から見た価値は同じだけ増えていないことになります。逆に円高が進めば、円建てでは横ばいでも、外貨建てでは値上がりして見えます。
米ドルは世界の基軸通貨であり、海外投資家が日本株の成績を測るときの標準的なものさしです。海外メディアが日本株を語るときの数字も、多くはドル建てで計算されています。円建てのニュースとドル建ての評価が食い違って見えるのは、このためです。
直近1年:円建て+43.0%、米ドル建て+37.3%
この1年で日経平均は44,768円から64,011円へと、円建てで+43.0%上昇しました。一方、ドル円は147.92円から154.04円へと約4.1%の円安が進みました。その分を調整すると、米ドル建てでの上昇率は+37.3%となります。
円建てとドル建ての差は約6ポイントにとどまりました。この1年はドル円の動きが比較的落ち着いていたため、日本株の値上がりが素直にドル建ての成績にも反映された格好です。
5年前・10年前との比較
5年前(2021年9月14日)と比べると、円建ては+108.7%ですが、米ドル建てでは+49.2%です。10年前(2016年9月14日)との比較では、円建て+285.3%に対し、米ドル建ては+157.2%となります。
差が大きく開くのが10年前との比較です。2016年9月のドル円は102.84円、直近は154.04円。1ドルを買うのに必要な円が約1.5倍になりました。円建ての「約3.9倍」という数字のうち、かなりの部分がこの通貨の変化によるものです。
30年前より、10年前のほうが安かった
今回の比較で目を引くのは、30年前(1996年9月)の$189.8のほうが、10年前(2016年9月)の$161.5より高いという点です。
円建てでも、この20年間で日経平均は20,824円から16,614円へと2割ほど下落しています。そしてドル円は1996年9月が109.75円、2016年9月が102.84円とほぼ横ばい(むしろやや円高)でした。つまりこの20年については、為替による水増しも目減りもほとんどなく、日本株の低迷がドル建てでもそのまま表れていることになります。
裏を返せば、直近10年のドル建て+157.2%という伸びは、その長い停滞からの回復分を多く含んでいる、という見方もできます。
計算方法とデータの出典
計算式はとてもシンプルです。
日経平均(米ドル建て)= 日経平均終値(円) ÷ ドル円レート 例:直近 64,011.34 ÷ 154.04 = $415.6
- 日経平均株価:Yahoo Finance チャートAPI(^N225 の日足終値)
- ドル円レート:Frankfurter API(欧州中央銀行の基準レートに基づく)
- 1996年9月のドル円:IMF「国際金融統計(IFS)」の月次平均レート(日本の対ドルレート)をDBnomics経由で取得
直近については、記事作成日(2026年9月14日)時点で為替の基準レートが確定している最新営業日として2026年9月11日を採用し、日経平均も同日終値で揃えました。1年前は2025年9月14日が日曜のため、直前営業日の9月12日を用いています。
1996年9月については日次の為替データが得られないため、日経平均・為替レートとも当月の月次平均値を用いています。他の4時点は、いずれも該当日の終値・当日の基準レートです。
まとめ
- 日経平均を米ドル建てに直すと、直近は$415.6。1年前から+37.3%(円建ては+43.0%)。
- 10年前との比較では、円建て+285.3%に対し米ドル建て+157.2%。伸びのかなりの部分は通貨の変化によるもの。
- 30年前(1996年9月)の$189.8は、10年前(2016年9月)の$161.5を上回る。この20年はドル円がほぼ横ばいで、日本株の低迷がドル建てにもそのまま表れていた。
「株価が上がった/下がった」という話は、どの通貨で測るかによって印象が大きく変わります。ニュースの数字を眺めるとき、そのものさしが何であるかを意識してみると、少し違う景色が見えてくるはずです。
※本記事は公開データをもとにした統計の図解紹介であり、特定の投資判断や金融商品の売買を推奨するものではありません。実際の投資にあたってはご自身の判断と責任でお願いします。過去の推移は将来の値動きを保証するものではありません。









