最終更新: 2026年10月06日
パートやアルバイトを始めるとき、「雇用保険に入る条件は?」「週何時間から加入?」と迷う人は少なくありません。2026年10月時点の雇用保険の加入条件は、週所定労働時間20時間以上と31日以上の雇用見込みの2つが基本で、2028年10月1日からは週10時間以上に広がります。この記事では厚生労働省の資料をもとに、条件表、改正前後の比較、学生や65歳以上の扱い、事業主の手続き、令和8年度の保険料率まで整理します。
この記事の結論
- 現行は週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みで加入
- 2028年10月1日から週10時間以上に拡大される
- 令和8年度の労働者負担は一般の事業で5/1,000
この記事の目次
- 雇用保険の加入条件の結論(誰が・いつから・何が変わる)
- 雇用保険の加入条件を一覧表で確認
- 雇用保険の加入条件の改正前後の比較(2028年10月1日施行)
- 雇用保険の加入条件と対象者別の影響
- 雇用保険の加入条件を満たしたときの手続きと保険料
- 雇用保険の加入条件のまとめ
- よくある質問
- 出典・参考資料
雇用保険の加入条件の結論(誰が・いつから・何が変わる)
雇用保険の適用事業所に雇われる人は、パート・アルバイトなどの雇用形態や、事業主・本人の加入希望の有無にかかわらず、①1週間の所定労働時間が20時間以上、②31日以上の雇用見込みがある、の2つを満たせば原則として被保険者になります。労働者を1人でも雇えば、原則として労働保険(雇用保険・労災保険)が適用されます。
変わるのは①の時間要件です。令和6年5月に成立した改正雇用保険法により、2028年(令和10年)10月1日から週所定労働時間「20時間以上」が「10時間以上」に引き下げられます。同じ改正法の多くは2025年4月1日に施行されましたが、その中身は自己都合離職者の給付制限の見直しなどで、加入の時間要件は2028年9月30日まで20時間のままです。
出典: 雇用保険制度 Q&A~事業主の皆様へ~、雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要
雇用保険の加入条件を一覧表で確認
「1週間の所定労働時間」は、就業規則や雇用契約書で通常の週に勤務すべきとされている時間です。祝日や年末年始・夏季休暇などを含まない週で判断し、短期的・周期的に変動する場合は1周期の平均を使います。1か月単位で定めている場合は、1か月の所定労働時間を12分の52で割って週の時間に換算します。
2つの要件を満たしても被保険者にならない人がいます。代表例は昼間学生、季節的に雇用され4か月以内の期間を定めている人または週30時間未満の人、法人の代表者などです。試用期間中でも要件を満たせば被保険者になり、2つ以上の事業所で働く人は生計維持に必要な主たる賃金を受ける1か所でのみ加入します。
| 区分 | 加入の扱い | ポイント |
|---|---|---|
| 週20時間以上かつ31日以上の見込み | 原則加入 | 雇用形態・本人の希望は問わない |
| 週20時間未満 | 加入しない | 2028年10月から10時間以上に拡大 |
| 31日以上の雇用見込みなし | 加入しない | 日々雇用・30日以内の雇用は日雇労働被保険者の制度 |
| 昼間学生 | 原則加入しない | 休学中や卒業後も同じ職場で働く予定の人などは加入 |
| 65歳以上 | 加入(高年齢被保険者) | 2事業所の合算で加入できる特例あり |
| 法人の役員 | 原則加入しない | 労働者的性格が強い兼務役員は加入 |
| 試用期間中 | 要件を満たせば加入 | 本採用前でも対象 |
出典: 雇用保険事務手続きの手引き 第4章 被保険者について、雇用保険制度 Q&A~事業主の皆様へ~、【重要】雇用保険マルチジョブホルダー制度について
雇用保険の加入条件の改正前後の比較(2028年10月1日施行)
2028年10月1日の適用拡大では、加入の時間要件だけでなく、週20時間を基準に決められていた関連ルールもおおむね半分に見直されます。厚生労働省の改正概要では、給付は別基準とせず、現行の被保険者と同様に基本手当・教育訓練給付・育児休業給付などを支給するとしています。
影響が大きいのは週10〜19時間で働くパート・アルバイトの人です。現在は雇用保険の対象外ですが、施行日以降は事業主に資格取得の手続きと保険料負担が生じ、本人も給与から保険料が差し引かれる代わりに、離職時の基本手当や育児休業給付などの対象になります。
| 項目 | 2028年9月30日まで | 2028年10月1日から |
|---|---|---|
| 週所定労働時間の要件 | 20時間以上 | 10時間以上 |
| 被保険者期間1か月の数え方 | 賃金支払基礎日数11日以上または80時間以上 | 6日以上または40時間以上 |
| 失業日と認定される労働 | 1日4時間未満 | 1日2時間未満 |
| 賃金日額の下限の基礎 | 週20時間就労を基礎に設定 | 週10時間就労を基礎に設定 |
出典: 雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要
雇用保険の加入条件と対象者別の影響
正社員やフルタイムの契約社員、週20時間以上のパートは、現在も2028年10月以降も原則加入で変わりません。週10〜19時間のパート・アルバイトは2028年10月から新たに加入対象になります。昼間学生は改正後も原則として対象外ですが、休学中の人や、卒業見込証明書があり卒業後も同じ事業所で働く予定の人などは加入します。
65歳以上の人は高年齢被保険者として加入します。さらに、2022年1月1日に始まった雇用保険マルチジョブホルダー制度では、65歳以上で2つの事業所(それぞれ週5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して週20時間以上となり、それぞれ31日以上の雇用見込みがあれば、本人がハローワークに申し出た日から加入できます。
- 正社員・フルタイム:原則加入(変化なし)
- 週20時間以上のパート:原則加入(変化なし)
- 週10〜19時間のパート:2028年10月から加入対象
- 昼間学生:原則対象外(休学中などは例外)
- 65歳以上:高年齢被保険者として加入
出典: 雇用保険事務手続きの手引き 第4章 被保険者について、雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要、【重要】雇用保険マルチジョブホルダー制度について
雇用保険の加入条件を満たしたときの手続きと保険料
手続きは事業主が行います。初めて人を雇う場合は労働基準監督署に「労働保険保険関係成立届」を出し、その控えなどを添えてハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」(保険関係成立日の翌日から10日以内)と「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。資格取得届の期限は被保険者となった日の属する月の翌月10日まで、離職時の資格喪失届は被保険者でなくなった日の翌日から10日以内です。
令和8年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)の一般の事業の雇用保険料率は13.5/1,000で、労働者負担5/1,000、事業主負担8.5/1,000です(令和7年度は14.5/1,000、労働者負担5.5/1,000)。月の賃金が20万円なら、労働者負担は200,000円×5/1,000=1,000円が目安です。会社が手続きをしない場合、本人がハローワークで被保険者であることの確認を請求できます。
保険料の申告・納付は、その年度の申告時に概算で申告・納付し、翌年度に確定額で精算する「年度更新」で行います。前年度の確定保険料と当年度の概算保険料をあわせて、労働基準監督署または都道府県労働局で手続きします。ハローワークでは保険料の申告・納付は扱っていないため、資格の届出先と保険料の窓口が異なる点に注意が必要です。
| 事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 | 雇用保険料率 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 5/1,000 | 8.5/1,000 | 13.5/1,000 |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 6/1,000 | 9.5/1,000 | 15.5/1,000 |
| 建設の事業 | 6/1,000 | 10.5/1,000 | 16.5/1,000 |
出典: 雇用保険制度 Q&A~事業主の皆様へ~、令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内、雇用保険の手続き一覧表
雇用保険の加入条件のまとめ
雇用保険の加入条件は、2026年10月時点では「週所定労働時間20時間以上」と「31日以上の雇用見込み」の2つです。2028年10月1日からは時間要件が週10時間以上に広がり、被保険者期間の数え方なども見直されます。働く人は雇用契約書の所定労働時間を確認し、事業主は施行日に向けて週10時間以上の従業員を把握しておくと手続きが円滑です。判断に迷う場合は、事業所を管轄するハローワークに相談してください。
出典: 雇用保険制度 Q&A~事業主の皆様へ~、雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要
よくある質問
Q. 雇用保険は週何時間から加入しますか?
A. 2026年10月時点では、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあれば原則加入です。改正雇用保険法により、2028年10月1日からは週10時間以上に引き下げられます。実際の勤務時間ではなく、雇用契約などで定めた所定労働時間で判断します。
Q. 学生のアルバイトは雇用保険に加入できますか?
A. 昼間学生は原則として被保険者になりません。ただし、卒業見込証明書があり卒業後も同じ事業所で働く予定の人、休学中の人、夜間・定時制・通信教育の学生などは、要件を満たせば加入します。休学中などは証明書類が必要になる場合があります。
Q. 会社が雇用保険に加入させてくれない場合はどうすればいいですか?
A. 加入要件を満たしている場合、本人が事業所の所在地を管轄するハローワークで、被保険者であることの確認を請求できます。本人確認書類を持参し、雇用契約書や給与明細書など雇入れの事実が分かる書類があれば併せて持参してください。
Q. 雇用保険料は給料からいくら引かれますか?
A. 令和8年度の一般の事業では、労働者負担は賃金の5/1,000です。月の賃金が25万円なら1,250円、30万円なら1,500円が目安です。農林水産・清酒製造の事業と建設の事業は6/1,000です。事業主はこれより多い8.5/1,000以上を負担します。
Q. 65歳以上でも雇用保険に加入できますか?
A. 加入できます。65歳以上の被保険者は高年齢被保険者として扱われます。1つの職場で要件を満たさなくても、65歳以上で2つの事業所の所定労働時間の合計が週20時間以上などの条件を満たせば、本人の申出によりマルチジョブホルダー制度で加入できます。
出典・参考資料
- 雇用保険制度 Q&A~事業主の皆様へ~(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 雇用保険事務手続きの手引き 第4章 被保険者について(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 雇用保険の手続き一覧表(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 【重要】雇用保険マルチジョブホルダー制度について(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
本記事は制度・商品の一般的な情報を、記載日時点の公的機関・事業者の公開資料に基づいてまとめたものです。税務・年金・保険・投資の個別の判断は、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等の専門家、または所管の窓口にご確認ください。金融商品の価値は変動し、元本を割り込むことがあります。










