最終更新: 2026年10月06日
「国民年金は何歳まで払えばいいの?」「60歳を過ぎても払う必要がある?」と迷う人は少なくありません。結論から言うと、自営業や学生などの第1号被保険者は原則20歳から60歳になるまでの40年間が納付期間です。この記事では、令和8年度(2026年度)の保険料額と年金額をもとに、会社員・専業主婦(夫)の扱い、40年に足りない人の任意加入、未納分を払える期限まで、日本年金機構と厚生労働省の一次情報で整理します。
この記事の結論
- 第1号は原則20歳から60歳になるまでの40年間払う
- 40年(480月)に足りなければ60〜65歳に任意加入できる
- 未納は納付期限から2年、免除等の追納は10年が期限
この記事の目次
- 国民年金はいつまで払う?結論は「20歳から60歳になるまで」
- 国民年金をいつまで払うかの条件表(加入者の種別ごと)
- 国民年金をいつまで払うかに関わる制度の改正前後
- 国民年金を40年払えない人への影響と任意加入の損益
- 国民年金の任意加入・追納の手続き
- まとめ:国民年金をいつまで払うかは種別と納付月数で決まる
- よくある質問
- 出典・参考資料
国民年金はいつまで払う?結論は「20歳から60歳になるまで」
日本に住む20歳以上60歳未満の人は、全員が国民年金への加入を義務付けられています。このうち自営業者、農業者、学生、無職の人など、会社員(第2号)やその扶養配偶者(第3号)でない人が第1号被保険者で、保険料を自分で納めます。したがって第1号の人が保険料を払うのは、原則として60歳になるまでです。
令和8年度(2026年度)の国民年金保険料は月額17,920円で、納付期限は納付対象月の翌月末日です。20歳から60歳までの40年間、すべての月の保険料を納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます。令和8年度の満額は月額70,608円(昭和31年4月2日以後生まれ)です。
出典: 国民年金保険料、年金用語集 第1号被保険者、令和8年4月分からの年金額等について、老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
国民年金をいつまで払うかの条件表(加入者の種別ごと)
「いつまで払うか」は、国民年金のどの種別に当たるかで答えが変わります。会社員や公務員などの第2号被保険者は、厚生年金の加入者であると同時に国民年金の加入者でもあり、厚生年金保険料とは別に国民年金保険料を払う必要はありません。ただし65歳以上で老齢年金の受給権がある人は第2号被保険者になりません。
なお、老齢基礎年金の額に反映されるのは20歳から60歳になるまでの期間です。第2号・第3号の期間も、この範囲であれば保険料納付済期間に含まれます。60歳以降に会社員として厚生年金に加入し続けても、老齢基礎年金の計算上の月数は増えません。60〜65歳の任意加入は厚生年金の加入者を除く制度なので、会社員を続ける人は対象外です。
| 種別 | 主な対象者 | 保険料の払い方 | 払う期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満の自営業者・学生・無職の人など | 本人が納付(令和8年度は月17,920円) | 60歳になるまで |
| 第2号被保険者 | 70歳未満の会社員・公務員など厚生年金の加入者 | 厚生年金保険料に含まれ別途負担なし | 厚生年金に加入している間(65歳以上で老齢年金の受給権がある人は除く) |
| 第3号被保険者 | 第2号に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者 | 本人負担なし | 60歳になるまで |
| 任意加入被保険者 | 60歳以上65歳未満で納付月数が480月未満の人など | 本人が納付(原則口座振替) | 65歳になるか480月に達するまで |
| 高齢任意加入(特例) | 昭和50年4月1日以前生まれで受給資格期間が足りない65歳以上70歳未満の人 | 本人が納付 | 受給資格期間を満たすまで |
出典: 国民年金保険料、年金用語集 第1号被保険者、老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額、年金用語集 第2号被保険者、任意加入制度、年金用語集 高齢任意加入
国民年金をいつまで払うかに関わる制度の改正前後
受給資格期間は平成29年7月31日までは25年以上必要でしたが、平成29年8月1日から10年に短縮されました。また、保険料をさかのぼって納められる期間は原則として納付期限から2年です。過去には10年後納制度と5年後納制度という特例がありましたが、5年後納制度は平成30年9月30日で終了しています。
令和7年に成立した年金制度改正法(令和7年法律第74号)の概要には、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金の見直し、遺族年金の見直し、iDeCoの加入可能年齢の引上げなどが並びますが、国民年金保険料の納付期間を60歳から延ばす項目は含まれていません。2026年10月時点でも、第1号の納付期間は20歳から60歳までです。
| 項目 | 改正前・過去の制度 | 2026年10月時点 |
|---|---|---|
| 老齢基礎年金の受給資格期間 | 25年以上(平成29年7月31日まで) | 10年以上(平成29年8月1日から) |
| さかのぼって納付できる期間 | 10年後納(平成24年10月〜平成27年9月)、5年後納(平成27年10月〜平成30年9月) | 納付期限から2年(過ぎると時効) |
| 任意加入で480月を超えた場合 | 平成17年3月までは480月を超える納付が起こり得た | 平成17年4月から480月到達で資格喪失、超過分は還付 |
| 納付期間(第1号) | 20歳から60歳になるまで | 20歳から60歳になるまで(令和7年改正法の概要に延長の項目なし) |
出典: 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額、年金用語集 高齢任意加入、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第74号)の概要等、国民年金保険料の後納制度(平成30年9月30日をもって終了しました。)
国民年金を40年払えない人への影響と任意加入の損益
老齢基礎年金は、20歳から60歳までの納付月数に応じて計算されます。下の表は、免除期間がなく未納だけがある場合を単純化し、「満額×納付月数÷480」で令和8年度の月額を試算したものです。実際の年金額は免除期間の有無や生年月日などで変わります。
任意加入で1年(12か月)納めると、令和8年度の保険料で215,040円(17,920円×12)の負担に対し、老齢基礎年金は年額で約21,182円増える計算です。受給開始から約10年で保険料相当額を受け取る試算になります。納付した保険料は全額が社会保険料控除の対象となるため、所得税・住民税の負担軽減も加味して判断するとよいでしょう。
- 自営業・フリーランス:60歳まで本人納付。不足月があれば60〜65歳の任意加入で補える
- 会社員:60歳以降も厚生年金に加入できるが、老齢基礎年金に反映されるのは20〜60歳の期間
- 会社員の配偶者(第3号):60歳まで本人負担なし
- 学生納付特例・納付猶予を受けた人:追納しないと年金額に反映されない
- 60歳以降に厚生年金へ加入中の人:任意加入の条件を満たさない
| 不足月数 | 老齢基礎年金(月額) | 満額との差(月額) | 差の年額換算 |
|---|---|---|---|
| 0か月(480月納付) | 70,608円 | 0円 | 0円 |
| 1か月 | 70,461円 | 147円 | 約1,765円 |
| 12か月(1年) | 68,843円 | 1,765円 | 約21,182円 |
| 36か月(3年) | 65,312円 | 5,296円 | 約63,547円 |
| 60か月(5年) | 61,782円 | 8,826円 | 約105,912円 |
出典: 国民年金保険料、令和8年4月分からの年金額等について、老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額、任意加入制度、国民年金保険料の追納制度
国民年金の任意加入・追納の手続き
任意加入は申出のあった月からの加入で、さかのぼって加入することはできません。60歳の誕生日の前日から手続きができ、窓口は住所地の市区役所・町村役場の国民年金担当窓口か近くの年金事務所です。国民年金に任意加入している間は、免除・納付猶予や学生納付特例は申請できません。
免除・納付猶予・学生納付特例を受けた期間は、追納が承認された月の前10年以内の分まで追納できます。承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に加算額が上乗せされます。全額免除の期間を1年分追納すると、老後の年金が年間で約1万円、納付猶予・学生納付特例の期間なら約2万円増えます。
| 手順 | 内容 | 必要なもの・注意点 |
|---|---|---|
| 1. 記録確認 | ねんきんネット等で20〜60歳の納付月数を確認 | 480月未満かどうかを確認 |
| 2. 窓口へ申出 | 市区役所・町村役場の国民年金担当窓口または年金事務所 | 60歳の誕生日の前日から手続き可能 |
| 3. 書類提出 | 通帳・キャッシュカード等と届出印、基礎年金番号がわかる書類またはマイナンバーカード | 保険料は原則口座振替 |
| 4. 納付開始 | 申出月から納付 | 65歳到達または480月到達で終了 |
出典: 任意加入制度、国民年金保険料の追納制度
まとめ:国民年金をいつまで払うかは種別と納付月数で決まる
第1号被保険者の納付期間は20歳から60歳になるまでで、令和8年度の保険料は月17,920円です。会社員は厚生年金保険料に含まれるため別途の負担はなく、第3号は本人負担がありません。40年に足りない場合は60〜65歳の任意加入、免除・猶予期間は10年以内の追納で年金額を満額に近づけられます。未納分を払えるのは納付期限から2年以内なので、まずはねんきんネットで納付月数を確認しましょう。
出典: 国民年金保険料、任意加入制度、国民年金保険料の追納制度、保険料を納付しなかった期間がありますが、今から納付することができますか。
よくある質問
Q. 国民年金は60歳以降も払う必要がありますか?
A. 第1号被保険者の強制加入は60歳になるまでです。60歳以降は、納付月数が480月未満で満額に近づけたい人などが、60歳以上65歳未満の間に任意で加入する仕組みです。厚生年金に加入している人は任意加入できません。
Q. 国民年金は65歳まで払うように改正されましたか?
A. 2026年10月時点では改正されていません。令和7年の年金制度改正法の概要には、国民年金保険料の納付期間を延ばす項目は含まれておらず、第1号の納付期間は20歳から60歳になるまでです。
Q. 会社員は国民年金をいつまで払うのですか?
A. 会社員は第2号被保険者で、国民年金の分は厚生年金の制度からまとめて拠出されるため、厚生年金保険料以外の負担はありません。ただし老齢基礎年金に反映されるのは20歳から60歳までの期間です。
Q. 払い忘れた国民年金は何年前までさかのぼって払えますか?
A. 納付期限から2年以内であれば納付できます。2年を過ぎると時効により納付できなくなります。免除や納付猶予の承認を受けた期間は別枠で、追納が承認された月の前10年以内の分まで納められます。
Q. 国民年金を40年払うと総額はいくらですか?
A. 令和8年度の月額17,920円が40年間(480月)続くと仮定すると、17,920円×480=8,601,600円です。実際の保険料は年度ごとに改定されるため、総額は加入した年度によって異なります。
出典・参考資料
- 国民年金保険料(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 年金用語集 第1号被保険者(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 令和8年4月分からの年金額等について(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 年金用語集 第2号被保険者(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 任意加入制度(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 年金用語集 高齢任意加入(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 国民年金保険料の追納制度(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第74号)の概要等(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 国民年金保険料の後納制度(平成30年9月30日をもって終了しました。)(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 保険料を納付しなかった期間がありますが、今から納付することができますか。(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
本記事は制度・商品の一般的な情報を、記載日時点の公的機関・事業者の公開資料に基づいてまとめたものです。税務・年金・保険・投資の個別の判断は、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等の専門家、または所管の窓口にご確認ください。金融商品の価値は変動し、元本を割り込むことがあります。








