最終更新: 2026年10月06日
退職を考え始めると、まず「失業保険(雇用保険の基本手当)はいくら、何日もらえるのか」が気になるはずです。基本手当日額は離職前6か月の賃金をもとに計算され、2026年(令和8年)8月1日に上限額・下限額が改定されました。この記事では厚生労働省とハローワークの公表資料をもとに、計算式、年齢別の上限、所定給付日数、月給20万・30万・40万円の計算例、受給までの流れを順に整理します。
この記事の結論
- 日額は賃金日額の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)
- 2026年8月以降の日額上限は年齢別に7,450〜9,110円
- 月給30万円なら日額6,307円、4週分で約17.6万円
この記事の目次
- 失業保険の計算結果の目安(結論)
- 失業保険の計算式と2026年8月改定の公的パラメータ
- 失業保険の早見表|月給別の基本手当日額
- 失業保険の所定給付日数の早見表
- 失業保険の計算例3パターン(月給20万・30万・40万円)
- 失業保険の計算で注意したい点と受給までの流れ
- 失業保険の計算のまとめ
- よくある質問
- 出典・参考資料
失業保険の計算結果の目安(結論)
失業保険の1日あたりの金額(基本手当日額)は、離職直前6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った「賃金日額」に、50〜80%(60〜64歳は45〜80%)の給付率を掛けて求めます。賃金が低い人ほど給付率が高くなる仕組みです。2026年8月1日以降の上限は30歳未満7,450円、30〜44歳8,270円、45〜59歳9,110円、60〜64歳7,830円、下限は全年齢2,562円です。
月給が一定なら、賃金日額はおおむね月給÷30です。本記事の試算では、30〜59歳の場合、月給20万円で日額5,036円、30万円で6,307円、40万円で6,744円になりました。受け取れる総額は「基本手当日額×所定給付日数」で、所定給付日数は離職理由・年齢・被保険者期間により90〜360日の範囲で決まります。
出典: 雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年7月31日報道発表)、参考1 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)、基本手当について
失業保険の計算式と2026年8月改定の公的パラメータ
計算は2段階です。まず「賃金日額=離職前6か月の賃金合計÷180」を出します。賞与は含めません。次に年齢区分ごとの式で基本手当日額を求めます。厚生労働省の計算式(令和8年8月1日〜)では、賃金日額3,203円以上5,480円未満は給付率80%、5,480円以上13,490円以下(60〜64歳は12,120円以下)は80%から徐々に下がる区間、それを超えると50%(60〜64歳は45%)で、1円未満は切り捨てます。
給付率が下がる区間の式は、60歳未満では「0.8w−0.3×{(w−5,480)÷(13,490−5,480)}×w」(wは賃金日額)です。60〜64歳は「0.8w−0.35×{(w−5,480)÷(12,120−5,480)}×w」と「0.05w+12,120×0.4」の低い方を使います。今回の改定は、令和7年度の平均給与額が前年度比約2.7%上昇したことなどによると厚生労働省は説明しています。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 | 改定前の日額上限 |
|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 14,900円 | 7,450円 | 7,255円 |
| 30〜44歳 | 16,540円 | 8,270円 | 8,055円 |
| 45〜59歳 | 18,220円 | 9,110円 | 8,870円 |
| 60〜64歳 | 17,400円 | 7,830円 | 7,623円 |
| 全年齢(下限) | 3,203円 | 2,562円 | 2,411円 |
出典: 雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年7月31日報道発表)、参考1 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)、基本手当について
失業保険の早見表|月給別の基本手当日額
離職前6か月の月給が一定で賞与を除いた額と仮定し、賃金日額=月給÷30(1円未満切り捨て)として計算した早見表です。4週分は、ハローワークで原則4週間に1度受ける失業の認定1回分(28日)の目安です。実際の支給額は認定日数や就労の有無で変わります。月給50万円では年齢区分の上限が効くため、30歳未満7,450円、30〜44歳8,270円、45〜59歳8,333円と差が出ます。
| 月給 | 賃金日額 | 日額(60歳未満) | 4週分(60歳未満) | 日額(60〜64歳) |
|---|---|---|---|---|
| 15万円 | 5,000円 | 4,000円 | 112,000円 | 4,000円 |
| 20万円 | 6,666円 | 5,036円 | 141,008円 | 4,916円 |
| 25万円 | 8,333円 | 5,775円 | 161,700円 | 5,264円 |
| 30万円 | 10,000円 | 6,307円 | 176,596円 | 5,348円 |
| 35万円 | 11,666円 | 6,629円 | 185,612円 | 5,431円 |
| 40万円 | 13,333円 | 6,744円 | 188,832円 | 5,999円 |
出典: 参考1 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)、雇用保険の具体的な手続き
失業保険の所定給付日数の早見表
受け取れる日数(所定給付日数)は、離職理由・離職時の年齢・被保険者であった期間で決まります。倒産・解雇などで離職した特定受給資格者と、有期契約が更新されなかった一部の特定理由離職者(離職日が2027年3月31日までの人)は、一般の離職者より日数が多くなる場合があります。一般の離職者は年齢に関係なく、被保険者期間10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。
受給資格は、原則として離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることです。特定受給資格者・特定理由離職者は離職日以前1年間に6か月以上でも認められます。障害のある方などの就職困難者は別の表で、45歳未満は最大300日、45〜64歳は最大360日です。
- 特定=特定受給資格者と一部の特定理由離職者(就職困難者を除く)
- ※特定理由離職者は被保険者期間6か月(離職以前1年間)以上で受給資格を得られる
- 期間の列は雇用保険の被保険者であった期間
| 区分・年齢 | 1年未満 | 1〜5年未満 | 5〜10年未満 | 10〜20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 特定:30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
| 特定:30〜34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 特定:35〜44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 特定:45〜59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 特定:60〜64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 一般の離職者(全年齢) | 90日(※) | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
出典: 基本手当について、基本手当の所定給付日数
失業保険の計算例3パターン(月給20万・30万・40万円)
月給が離職前6か月間一定、賞与なしという前提で総額の目安を計算します。正当な理由のない自己都合で離職した場合、離職日が2025年4月1日以降なら給付制限は原則1か月です。倒産・解雇などの会社都合(特定受給資格者)には、離職理由による給付制限はありません。
Cのように賃金日額が13,490円に近づくと給付率は50%台まで下がります。月給はBの約1.33倍でも、日額の差は約1.07倍にとどまります。一方、会社都合で被保険者期間が長い人は所定給付日数が330日まで伸びるため、総額は自己都合の場合と大きく変わります。
| 項目 | A:28歳・月給20万円 | B:38歳・月給30万円 | C:50歳・月給40万円 |
|---|---|---|---|
| 離職理由 | 自己都合 | 自己都合 | 会社都合(解雇等) |
| 被保険者期間 | 6年 | 12年 | 22年 |
| 賃金日額(月給×6÷180) | 6,666円 | 10,000円 | 13,333円 |
| 給付率(日額÷賃金日額) | 約75.5% | 約63.1% | 約50.6% |
| 基本手当日額 | 5,036円 | 6,307円 | 6,744円 |
| 所定給付日数 | 90日 | 120日 | 330日 |
| 総額の目安(日額×日数) | 453,240円 | 756,840円 | 2,225,520円 |
| 給付制限 | 原則1か月 | 原則1か月 | なし |
出典: 参考1 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)、基本手当の所定給付日数、Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
失業保険の計算で注意したい点と受給までの流れ
求職の申込み後、失業の状態にある7日間は「待期」として支給されません。正当な理由のない自己都合離職では、待期満了後さらに原則1か月の給付制限があります。離職日から遡って5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合離職で受給資格決定を受けた場合や、重責解雇の場合は3か月です。離職日が2025年3月31日以前の自己都合離職は原則2か月でした(改正前)。
受給中は原則4週間に1度ハローワークで失業の認定を受け、認定日から通常5営業日で指定口座に振り込まれます。受給期間は原則として離職日の翌日から1年間で、これを過ぎると所定給付日数が残っていても受け取れません。病気・けが・妊娠・出産・育児などで引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を最長3年まで延長できます。
- 賃金日額に賞与は含まれない
- 上限額・下限額は毎年度見直される(2026年は8月1日改定)
- 上限は離職日時点の年齢区分で決まる
- 受給中のアルバイト等は失業認定申告書で申告する
出典: 基本手当について、Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~、雇用保険の具体的な手続き
失業保険の計算のまとめ
失業保険の金額は「賃金日額×給付率(年齢別の上限あり)×所定給付日数」で決まります。2026年8月1日以降は上限が30〜44歳で8,270円、45〜59歳で9,110円などに引き上げられ、下限は2,562円になりました。正確な日額と日数は、ハローワークで受給資格が決定された時点で確定します。本記事の早見表は月給一定・賞与なしの試算なので、毎月の支給額が変動する方は直近6か月の給与明細の合計を180で割って計算し直してください。
出典: 雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年7月31日報道発表)、基本手当について
よくある質問
Q. 失業保険は自己都合だといつからもらえますか?
A. 受給手続き後、7日間の待期が満了し、さらに原則1か月の給付制限(2025年4月1日以降の離職の場合)が終わった後の日が支給対象になります。給付制限が明けた後の認定日に失業の認定を受け、通常5営業日で指定口座に振り込まれます。
Q. 失業保険の計算にボーナス(賞与)は含まれますか?
A. 含まれません。賃金日額は、原則として離職直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って計算し、賞与等は除かれます。賞与の比率が高い方は、年収から想定するより日額が低く出る点に注意してください。
Q. パートでも失業保険の計算方法は同じですか?
A. 雇用保険の被保険者で受給要件を満たせば、パートでも同じ計算式です。賃金日額が5,480円未満なら給付率は80%で、2026年8月以降は日額の下限が2,562円です。受給には原則として離職日以前2年間に被保険者期間12か月以上が必要です。
Q. 失業保険は1か月にいくらもらえますか?
A. 1回の認定は原則4週間分なので、基本手当日額×28日が目安です。60歳未満で月給30万円(賃金日額10,000円)なら日額6,307円で、28日分は176,596円です。認定期間中に働いた日がある場合などは、支給日数や金額が変わります。
出典・参考資料
- 雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年7月31日報道発表)(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 参考1 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 基本手当について(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)、2026-10-06閲覧)
- 基本手当の所定給付日数(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)、2026-10-06閲覧)
- Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
- 雇用保険の具体的な手続き(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)、2026-10-06閲覧)
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