最終更新: 2026年10月06日
給与明細の社会保険料を見て「どうやってこの金額になるの?」と疑問に思ったことはありませんか。社会保険料は、給与を区切りのよい金額に当てはめた標準報酬月額に、制度ごとの料率をかけて計算します。この記事では2026年度(令和8年度)の協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省の公表値をもとに、計算式と月収別の早見表、月収25万・35万・50万円の計算例を示します。
この記事の結論
- 社会保険料は標準報酬月額×料率÷2が本人負担の基本
- 東京・月収35万円・45歳なら本人負担は月約5.6万円
- 2026年4月分から子ども・子育て支援金0.23%が加わった
この記事の目次
- 社会保険料計算の結論:月収の約15%が目安
- 社会保険料の計算式と2026年度の料率
- 社会保険料計算の土台:標準報酬月額の決め方
- 社会保険料計算の早見表(東京都・月収別)
- 社会保険料の計算例3パターン(月収25万・35万・50万円)
- 社会保険料を計算するときの注意点
- 社会保険料計算のまとめ
- よくある質問
- 出典・参考資料
社会保険料計算の結論:月収の約15%が目安
会社員の社会保険料(本人負担)は、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金の「標準報酬月額×料率÷2」と、雇用保険の「賃金×労働者負担率」の合計です。協会けんぽ東京支部の令和8年度保険料額表で計算すると、月収35万円の場合、39歳以下で月52,834円、40〜64歳で月55,750円になります。
料率は年度や都道府県で変わります。令和8年度は協会けんぽの健康保険料率が3月分(4月納付分)から改定され、4月分(5月納付分)からは全国一律の子ども・子育て支援金(0.23%)が加わりました。雇用保険料率も令和8年4月から労働者負担が5/1,000に下がっています。
出典: 令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます、令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、協会けんぽの子ども・子育て支援金率について、令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
社会保険料の計算式と2026年度の料率
健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金は、標準報酬月額に料率をかけた額を事業主と被保険者で折半します。厚生年金保険料率は平成29年9月を最後に引上げが終了し、18.3%で固定されています。介護保険料は40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者が対象です。
雇用保険料は標準報酬月額ではなく、実際に支払われた賃金に料率をかけます。令和8年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)の一般の事業は13.5/1,000で、労働者負担5/1,000、事業主負担8.5/1,000です。子ども・子育て拠出金(0.36%)は事業主のみが負担し、被保険者の負担はありません。
| 保険料 | 料率(全体) | 本人負担 | 計算の基礎 | 適用 |
|---|---|---|---|---|
| 健康保険 | 都道府県別(東京9.85%) | 料率の1/2 | 標準報酬月額 | 令和8年3月分から |
| 介護保険(40〜64歳) | 1.62%(全国一律) | 0.81% | 標準報酬月額 | 令和8年3月分から |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23%(全国一律) | 0.115% | 標準報酬月額 | 令和8年4月分から |
| 厚生年金保険 | 18.3% | 9.15% | 標準報酬月額 | 平成29年9月分から固定 |
| 雇用保険(一般の事業) | 13.5/1,000 | 5/1,000 | 実際の賃金 | 令和8年4月1日から |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36% | 負担なし | 厚生年金の標準報酬月額 | 事業主のみ負担 |
出典: 令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます、令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、協会けんぽの介護保険料率について、協会けんぽの子ども・子育て支援金率について、厚生年金保険の保険料、令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
社会保険料計算の土台:標準報酬月額の決め方
標準報酬月額は、基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与(報酬月額)を、一定の幅で区分した等級に当てはめて決めます。厚生年金は1等級8万8千円から32等級65万円までの32等級です。たとえば報酬月額25万円以上27万円未満なら標準報酬月額は26万円になります。
決め方の代表は定時決定と随時改定です。定時決定は4〜6月の報酬をもとに毎年1回決め直し、9月から翌年8月まで適用されます。随時改定は、昇給・降給など固定的賃金の変動後3か月の平均で算出した標準報酬月額が従前と2等級以上違うときに、変動月から4か月目に改定されます。
| 項目 | 定時決定(算定基礎届) | 随時改定(月額変更届) |
|---|---|---|
| きっかけ | 毎年1回(7月1日現在の被保険者) | 昇給・降給など固定的賃金の変動 |
| 使う報酬 | 4月・5月・6月の報酬月額 | 変動月以後3か月の報酬の平均 |
| 条件 | — | 従前と2等級以上の差が生じたこと等 |
| 適用時期 | 9月から翌年8月まで | 変動月から4か月目(例:4月変動なら7月) |
出典: 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、厚生年金保険の保険料、定時決定(算定基礎届)、随時改定(月額変更届)
社会保険料計算の早見表(東京都・月収別)
協会けんぽ東京支部の令和8年度保険料額表(令和8年3月分〜、支援金は4月分〜)から、本人負担額を月収別に整理しました。月収は通勤手当などを含む総支給額で、毎月同額と仮定しています。雇用保険は一般の事業の5/1,000で計算しました。健康保険の列は、左が39歳以下(介護保険なし)、右が40〜64歳(介護保険込み)の金額です。
本人負担の合計は月収のおよそ14〜16%です。標準報酬月額の区切りによって比率は少し上下し、たとえば月収25万円は標準報酬月額26万円に当てはまるため、比率がやや高くなります。他の道府県の場合は健康保険料率を置き換えて計算します。介護保険料率・支援金率・厚生年金保険料率は全国共通なので、差が出るのは健康保険部分だけです。
| 月収 | 標準報酬月額 | 健康保険(39歳以下/40〜64歳) | 支援金 | 厚生年金 | 雇用保険 | 合計(39歳以下/40〜64歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 20万円 | 9,850/11,470 | 230 | 18,300 | 1,000 | 29,380/31,000 |
| 25万円 | 26万円 | 12,805/14,911 | 299 | 23,790 | 1,250 | 38,144/40,250 |
| 30万円 | 30万円 | 14,775/17,205 | 345 | 27,450 | 1,500 | 44,070/46,500 |
| 35万円 | 36万円 | 17,730/20,646 | 414 | 32,940 | 1,750 | 52,834/55,750 |
| 45万円 | 44万円 | 21,670/25,234 | 506 | 40,260 | 2,250 | 64,686/68,250 |
| 50万円 | 50万円 | 24,625/28,675 | 575 | 45,750 | 2,500 | 73,450/77,500 |
出典: 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
社会保険料の計算例3パターン(月収25万・35万・50万円)
東京都の協会けんぽ加入者を想定し、月収25万円・30歳、月収35万円・45歳、月収50万円・45歳の3パターンで計算過程を示します。40〜64歳は健康保険料率9.85%に介護保険料率1.62%を加えた11.47%で計算します。標準報酬月額は、保険料額表の報酬月額の区分(例:35万円以上37万円未満は36万円)に当てはめて求めます。雇用保険は月収そのものに5/1,000をかけます。
月収25万円の30歳は介護保険がかからず、合計は月38,144円(年約45.8万円)です。月収35万円・45歳は月55,750円(年66.9万円)、月収50万円・45歳は月77,500円(年93万円)になります。いずれも賞与がない場合の金額で、賞与からも別途保険料が引かれます。
| 項目 | 月収25万円・30歳 | 月収35万円・45歳 | 月収50万円・45歳 |
|---|---|---|---|
| 標準報酬月額 | 26万円 | 36万円 | 50万円 |
| 健康保険(介護込み) | 26万×9.85%÷2=12,805円 | 36万×11.47%÷2=20,646円 | 50万×11.47%÷2=28,675円 |
| 子ども・子育て支援金 | 26万×0.23%÷2=299円 | 36万×0.23%÷2=414円 | 50万×0.23%÷2=575円 |
| 厚生年金 | 26万×18.3%÷2=23,790円 | 36万×18.3%÷2=32,940円 | 50万×18.3%÷2=45,750円 |
| 雇用保険 | 25万×5/1,000=1,250円 | 35万×5/1,000=1,750円 | 50万×5/1,000=2,500円 |
| 合計(月) | 38,144円 | 55,750円 | 77,500円 |
出典: 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、協会けんぽの介護保険料率について、協会けんぽの子ども・子育て支援金率について、厚生年金保険の保険料、令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
社会保険料を計算するときの注意点
健康保険料率は都道府県で差があります。令和8年度は新潟県9.21%が最も低く、佐賀県10.55%が最も高い水準です。標準報酬月額36万円・39歳以下の健康保険料(本人負担)は、新潟県16,578円に対し佐賀県18,990円で、月2,412円の差になります。健康保険組合に加入している場合は、組合ごとの料率で計算します。
賞与の保険料は、賞与額の1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に料率をかけます。標準賞与額の上限は、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金が年度累計573万円、厚生年金が1か月150万円です。また給与から控除する本人負担分は、50銭以下切り捨て・50銭超切り上げで端数を処理します。
- 健康保険料率は都道府県ごと(令和8年度は9.21%〜10.55%)
- 介護保険料は40〜64歳のみ加算
- 雇用保険は標準報酬月額ではなく実際の賃金で計算
- 厚生年金の標準報酬月額の上限は65万円(32等級)
- 4〜6月の報酬が9月以降の保険料を左右する
出典: 令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます、令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、厚生年金保険の保険料、定時決定(算定基礎届)
社会保険料計算のまとめ
社会保険料は「標準報酬月額×料率÷2」を健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金で合計し、雇用保険(賃金×5/1,000)を足して計算します。2026年度は東京都の健康保険料率が9.85%、介護保険1.62%、支援金0.23%、厚生年金18.3%です。月収の約15%が本人負担の目安で、東京・月収35万円・45歳なら月55,750円になります。ご自身の都道府県の保険料額表で確認してみてください。
出典: 令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます、令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)、令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
よくある質問
Q. 社会保険料を引いた手取りはどう計算しますか?
A. 総支給額から社会保険料の本人負担合計を引き、さらに所得税と住民税を引いたものが手取りです。たとえば東京都・月収35万円・45歳なら社会保険料は月55,750円で、ここからさらに税金が差し引かれます。
Q. 4月・5月・6月に残業が多いと社会保険料は上がりますか?
A. 定時決定は4月・5月・6月の報酬月額をもとに標準報酬月額を決め直し、9月から翌年8月まで適用されます。残業手当も報酬に含まれるため、この3か月の残業が多いと標準報酬月額が上がり、保険料が増える場合があります。
Q. 40歳になると社会保険料はいくら増えますか?
A. 40歳から64歳までは介護保険第2号被保険者となり、介護保険料率1.62%(本人負担0.81%)が加わります。標準報酬月額36万円なら本人負担は月2,916円増え、健康保険料と合わせて20,646円になります。
Q. ボーナスの社会保険料はどう計算しますか?
A. 賞与額の1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に、毎月の保険料と同じ料率をかけて折半します。上限は健康保険・介護保険・支援金が年度累計573万円、厚生年金が1か月150万円です。
出典・参考資料
- 令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます(全国健康保険協会(協会けんぽ)、2026-10-06閲覧)
- 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)(全国健康保険協会(協会けんぽ)、2026-10-06閲覧)
- 協会けんぽの介護保険料率について(全国健康保険協会(協会けんぽ)、2026-10-06閲覧)
- 協会けんぽの子ども・子育て支援金率について(全国健康保険協会(協会けんぽ)、2026-10-06閲覧)
- 厚生年金保険の保険料(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 定時決定(算定基礎届)(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 随時改定(月額変更届)(日本年金機構、2026-10-06閲覧)
- 令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内(厚生労働省、2026-10-06閲覧)
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